Kanchan(@kanchanblog)です。
時々見かける「資産が目標金額に達したら緩い働き方をしたい」という意見には、勿体ないと感じてしまいます。
それまでの短くない期間を「我慢する」ことになっているからです。
自分や大事な家族のために資産を作って、時間を手に入れようとする意気込みは素晴らしいと思います。
でも、「時間」も唯一無二の取り戻せない「資産」です。
そして、若い頃の時間は、老後の時間より圧倒的に価値が高いです。
資産額という単なる数字のために若い頃の時間を「犠牲」にするのは、どうしても勿体ないと思ってしまいます。
1000万円を難なく貯められた人は、きっと「貯金体質」が身に付いています。
5000万円、1億円のためにがむしゃらにならなくとも、お金に困らない人生になる可能性が高いでしょう。
数字を気にするのは目標達成のために重要なことですが、インデックス積立て等の「チューニング」が済んだら目標に向かう過程に目を向けた方が良いと思います。
仕事の楽しい部分、やりがいになる部分、お金を使わなくても充実した生活が出来るという部分。
過程も楽しくあってほしいと思います。
「資産が増えていくのが楽しい」としても、その過程が苦痛を伴うものだとしたら、例えば明日急に人生が終わるとしたら完全燃焼出来たとは言えないでしょう。
それから忘れがちなのは、目標資産額に達したとしても生活は大きく変えらないということ。
増やした資産がただ目減りしていくのは、増やすのが心地よかった人ほど苦しいのではありませんか。
資産額はただの数字に過ぎないという事実に気付いた時、仕事や家族や人間関係の価値を再認識します。
経済的自由という意味で人生アガったとしても、その喜びは一時的なものでやがて元に戻り、淡々と日常が続いていくのが人生です。
であれば、「経済的自由になったとしたらやりたいことを前もって考えて、少しずつでいいからやってみること」が良い人生にすることになると思いました。
私の場合は、過重労働や人間関係に悩んだこともありましたが仕事全部が嫌になることはなくて、FIREしたとしても医師の仕事を少しは続けたいと思いました。
感謝や尊敬を日頃からこれだけしてもらえる仕事は他にないと思います。
それはいくらお金を積んでも得られるものではありません。
幸いなことに今の医師の労働市場では、非常勤で少し働くことが出来れば一般家庭の平均的な収入は稼げてしまいます。
「FIREした後も続けたいと思う仕事で資産が寧ろ増え続けてしまう」と思ったら、今しか出来ないことをやらないといけないなと思いました。
自分にその意識を植え付けるために与えたアイデンティティが「サイドFIRE医」です。
いくらお金を積まれても、許容範囲を超える仕事、家族との時間を奪われる仕事、「我慢」を感じる仕事はしない、ということも誓いました。
無理は所詮無理でしかありません。
続けられない仕事は、継続性を求めるお客(患者さん)に応えられない仕事になります。
目標は目移りするのは自然なことです。
大きな目標がブレると、挫折したとか、一貫性がないとか、批判される傾向にあるかもしれません。
時代の変化速度が加速しているので、一つの目標に縛られることはリスクにもなり得ます。
首尾一貫、初志貫徹で夢をかなえるというストーリーには華があります。
いわゆる「登山型」のキャリアですね。
登ろうとした山が急な変化によって無くなってしまったら、人生を賭けて積み上げてきたものが無くなってしまったかのような深い喪失感に襲われることでしょう。
これからは、専門を掛け合わせたり、変化に適応していることそのものを楽しむ「波乗り型」のキャリアの方が生きやすくなってくるのではないでしょうか。
仕事は「登山」、プライベートは「波乗り」というようにしても良いし、
家庭を「登山」、仕事を「波乗り」で楽しんでも良い（自分はこちら寄り）。
「我慢して生きるほど人生は長くない」という考え方に強く賛成します。
あなたが今している「我慢」のどれを減らせますか？
最後まで読んで頂きありがとうございました。
※記事の内容は本書と無関係です。
