Kanchan(@kanchanblog)です。
サイドFIRE生活をしている医師です。
前回の記事では目標の立て方について書き、
価値観に合った目標を達成するために数字で目標を立てることをお勧めしました。
しかし、例外としてお金を直接目標にしない方が良いです。
今回はその理由について解説します。
FIREを目指したい人
良い目標を立てたい人
目標達成して幸せになりたい人
お金を目標にするデメリット
利己的になる
お金を少しでも意識するだけで利己的になるという研究結果や事例は多数あります。
ある研究では、単語を並び替えるようなパズルを解いてもらった後で、被験者が他人から助けを求められる状況を作ってどの程度の時間をかけて助けたかを調べました。
パズルに使われた単語に仕掛けがあり、お金に関連する単語(high, salary, payingなど)だった群と、中立的な単語(close, apple, standingなど)だった群で比較してみると、お金に関連する単語だった群で有意に人助けに使う時間が少なくなっていました。
また、駐車料金が高額な地域で路上駐車を罰金で取り締まろうとしてみたところ、毎回駐車場で高い駐車料金を支払うよりたまに罰金を支払う方がマシと考えて常習的に路上駐車する人が出てきてしまった例もあります。
本人は罰金をたまにしか来ない「請求書」と捉え、自分の車が迷惑になっているとは考えなくなりました。みんなが同じように路上駐車してしまったらどうなるかとも考えません。
どちらもお金によって利己的になってしまうことを示唆しています。
幸福を感じにくくなる
お金を意識し続けていると幸福を感じにくくなることも知られています。
利己的になることによって、身近な人たちから見放されてしまう孤独も、一つ不幸の原因になりそうです。
その他にも日常の些細な出来事に喜びを感じにくくなることも原因となります。
お金が置いてある状態と何もない状態でチョコレートを味わってもらう実験では、お金が置いてある状態で食べた人の方があまり味わうことなく短時間で食べてしまい、満足度も低くなっていました。
また、絵を描くのが好きな子供に、出来た絵をお金で「買ってあげて」お小遣いにして貰うという介入をすると、直後はよく描くようになりますが時間が経つとあまり変わらなくなり、最終的にはお金が貰えないと描かない子が増えてしまいました。
お金はドラッグと似ていて、同じ金額の報酬を続けて貰っていても、同じ満足度は段々得られなくなっていく性質があります。
給料の上がる転職が必ずしも幸福に繋がらないことを経験された方も多いのではないでしょうか。
創造性が低下する
金銭的報酬によって創造力が高まるのかどうかについても研究があり、与えられた条件、課題の中で解決方法を考えるような”閉鎖的な創造性”は高まるという側面もあるようです。
お金を目標にしていると、お金にならないことを排除してしまう結果、自由な創造力”開放的な創造性”が損なわれます。
創造力を伸ばすためにはお金ではなく、困りごとを解決する、他人を喜ばせる等、別の動機づけが必要で、工夫が必要と言えます。
参考記事:お金(インセンティブ)で人から創造性を引き出せるか?(アメリカ・イタリア共同研究)
対策
お金よりも大切な「何か」を目標にする
「お金よりも大切なもののために、お金は必要」です。
お金を目標にしてはいけないと言うのではなく、「大切なもの」に目を向けると、お金も付いてくる目標に置き換えることが出来ます。
資産額を目標にするのではなくて、「働かなくても生きられる期間」に換算してみたり、売上ではなく顧客数を見るようにしたりするわけです。
何が「ピンとくる」目標かは人それぞれなので、ここでも自分の価値観と向き合って頑張りたいと思える目標を立てることが大切です。
金額ではなくパーセンテージで表す
小手先のテクニックのようですが、金額ではなくパーセンテージで見るのは良い対策だと思っています。
投資額が増えてくると急落した日などは、100万円単位で”消える”こともあり、げんなりします。
目を背けたくなってしまうのも無理はありません。実際市場が下落した日は、上昇した日に比べて証券会社のページへのアクセス数が減る(見ないようにしている)ことが分かっています。
前日比のパーセンテージで見たり、効果的なリバランスのためのアセットアロケーションの内訳を見直すことだけを考えたりすると、立ち向かえるようになります。
投資をしている方などはぜひ試してみて下さい。
目標達成と無関係なやりたいことを入れる
お金に限ったことではありませんが、遠い目標は「現実とのギャップ」を突き付けられた時に、逆にモチベーションを下げる効果もあります。
気分が沈んでいる時に起きやすい現象ではないかと思います。
やる気のある時は目標が励みになりますが、やる気がない時は「どうせ無理」と自暴自棄になってしまいやすいです。
そういう時は目標と無関係な趣味や活動を入れると良いと思います。
衝動的にではなく「やりたいことリスト」を用意しておいて、そういう時に実行するとコントロール感も出ますし、目標に向けて前進した時の御褒美として使うことも出来ます。
目標達成が楽しくなるので無関係なやりたいことリストを作ることはお勧めです。
Kanchanの今年の目標
賃貸用物件を一つ以上持つ
不動産投資に興味が出てきて勉強を始めています。
ポートフォリオの分散としての意味もありますが、自宅や世の中の家についてもっとよく知りたいと思ったからです。
資産価値の高い物件、銀行融資、不動産税制、リフォーム、それぞれの業者の選び方。
知るほどに奥深く、大きく失敗しないやり方でチャレンジしてみたいと思いました。
ブログを年間100記事書く
最近更新頻度が減っていて申し訳ありません(笑)
雑記寄りにしてもう少し気楽に週2記事を目安にコツコツ積み上げていくことも、引き続き目標にしていきたいと思います。
資産運用のSharpe Ratio 1.5以上
Sharpe Ratioというのは、投資家の実力を測る数字で、リスク以上のリターンが得られているかを数値化したような値です。
具体的には、SharpeRatio=(平均運用利回り−無リスク資産の利回り)÷利回りの標準偏差 の式で算出します。
資産運用で目標にしたいことは、「大きく下がらない分散投資」です。
平均的に増えるけど、平均よりは減らない投資家はSharpeRatioが高い優秀な投資家ということになってきます。
達成するのは簡単では無さそうですが、感情に流されずルールを守って機械的に運用していきたいと思います。
何を買い足すかは「ローテーション戦略」を試したいと思っています。
直近のSharpe Ratioが高かったインデックスを追加する、どれも移動平均を下回っていたら安全資産に追加する、というルールで追加投資する手法で、
高橋ダンさんの著書「お金の増やし方」で紹介されています。
そして、運用資産全体のSharpe Ratioを計算してみて、1.5以上を取れるか試したいと思います。
年末の運用資産5826万円
年初の運用資産5167万円に382万円追加投資して+5%増えると到達する金額で設定してみました。
インデックス投資メインで、基本長期投資のスタンスなので、年末の残高は時の運でもあり、ゲームのスコア的な感じで観察する対象です。
目標というより願望と言った方が近い所です。
自分の頑張りでどうにもできない部分もありますし、下手に相場を読もうとすると墓穴を掘りますからね。
目標は出来たら誰かに伝えておくのが、他人に見られている感覚を活用できて、達成率が上がります。
私も宣言してしまった以上、約束を果たすべく頑張りたいと思います。
以上参考になりましたら幸いです。
今年も宜しくお願い申し上げます。