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医師の給料が高くなる背景について考察

Kanchan(@kanchanblog)です。

サイドFIRE生活をしています。

今回のトピックス

医師の所得を抑えて看護師等に配分、給付金の所得制限、など最近また話題になった医師の所得。

これまでも診療報酬引き下げの時に医師の高所得を引き合いに出してキャンペーンを打つことが度々ありました。

勤務医の平均年収約1200万円は控えめに言っても世間的には高所得に入ります。

なぜ医師の給料は高いのか?

高給である理由や高給であることについての意見、今後の見通しについて考察していきたいと思います。

医師はなぜ高所得なのか?

結論から言えば、一般的な職業に比べて医師は需要が供給に対して遥かに多いからです。

医療行為が仕組みとして医師の指示のもとで行われることになっているということは、病院や診療所などの「箱」をいくら用意しても医師がいなければ全く動かせません。

一人の医師が診られる人数も限られてきますから、医療機関の規模や行いたい診療内容に応じて必要になってくる医師数も増えていきます。

簡単な例を挙げれば、入院することのできる医療機関には夜間も対応できるように医師が最低一人居る必要があります(当直)。1年365日24時間誰かが居る必要があるということですが、雇用している常勤医で足りなければ非常勤(バイト)で埋めるため当直1晩4~10万程度のバイト料で募集をかけることになります。

常勤医、非常勤医ともに不足しているため、この「相場」が崩れることなく高額な給料が維持される構造です。

国家資格が必要になることも供給を制限する要因になっています。

医学部やその定員数は認可制となっていて自由に決められません。仮に増員を決めても反映されるのは学生+研修医の8年間が経過してからです。

既に医師になった者にとっては利権を守る参入障壁になっていると同時に過重労働が解消されない足枷にもなっています。

医師の求人数を求職者数で割った求人倍率は4~6倍という超が付くほどの売り手市場、慢性的な医師不足の状態です。

この「需給バランスが需要側に偏っていること」が医師の給料が高額になる一番大きな理由です。

医師の給料についての意見

激務なのだから時給にしたら安い

医療業界は働き方改革が遅れていると言われていて、夜勤は「当直」というみなし宿直で翌日も通常業務となる病院はまだまだ多いですし、早出も残業も含めた時間外賃金も十分に支払われているところの方が少ないでしょう。

額面年収が同程度の多業種と比較すると、医師の時給は安いというのは最もです。

それが転じて「沢山働いているから高給であるべき」となると誤ってしまいます。命に関わる意思決定をする仕事だからこそ、適切に休んで働くべきです。それは給料とは別の話にするべきだと思います。

責任が伴っているから高い

診療の指示を出し責任を負う仕事と、医師の指示の下働く仕事とで給料に差があるのは当然だという話もよく聞かれます。

一般企業の課長職と平社員で給料が違うのと似ています。

しかし、「二倍以上の差があるのはどうなのか?」という意見については賛否あるかと思います。

需給バランスがそうなっているのだから仕方がないことだと思いますが。

他国と比べたら安い

日医雑誌 第139巻・第 1 号・86-88頁/2010年 4 月

日本の医師の賃金は先進国と比較するとやや少なく、尚且つ時間外労働が多い。

時給にすると半分程度になってしまうというデータがありました。

米国なんかは医療訴訟の対策として高額な保険に加入しておかないと実質働けず、手残りは少ないという話もあります。一概に比較できないものなのかもしれません。

超過勤務が圧倒的に長いというあたりは「日本らしい」と思いました。

安い賃金、劣悪な労働環境は、放置していたら少子高齢化が進む日本を見限って海外へ出ていく医師が将来増えてしまうかもしれません。

国が違えば医師免許も違うので、即座にとはいかないでしょうがその気になれば日本の医師の勤勉さは他国で受け入れられやすいのではないかなと思います。

看護師と比べたら高過ぎる

需給バランスのため仕方ないことだとは思いますが、看護師の給料の2倍以上かかる医師の給料が高過ぎるという感情はある程度分かります。

政策誘導で看護師の給料を増やすことには賛成です。

ただ、その原資を医師の給料を減らした分から、とするのは難しいと思います。

同じ仕事で給料を減らすモチベーション低下効果は大きいです。

それに各種税金、社会保険料を既に支払っており、手取り収入の差は年収の差ほどありません。

「コロナ禍で頑張ってくれている医療者に感謝を」からの「医師の給料を減らして他職種に分配を」「給付金対象外」の手のひら返し。政治家の所得についてはノーコメント。

安心、信用して働ける環境を作って頂きたいものですね。

学費に金がかかっているから高給

「コストがかかるから売値の底がある程度決まる」というのは、BTC暴落時に底値がいくらになるんだろう?という議論の中で言われた話です。

電気代やPC代、メモリー代、冷却装置代といったマイニングコストがBTCには常にかかるため、それを踏まえた価格以下に値下がるようなら採掘業者さんは操業停止してしまい、結果として価格は底を付けて上がりやすくなります。

医師の場合は必ず医学部を卒業する必要があり、学費は国公立か私立かで大きく異なりますが、最大で6年間4000万円以上かかります。

FIREを目指して医師になるのは正解か? Kanchanです。 サイドFIRE生活をしている医師です。 医師=高給取り=FIRE向きと考える人もいると思います。 ...

しかし、高額の学費がかかることは給料を保証するコストではありません

残酷な話をすれば、私立大学の学費と偏差値の間には負の相関があります。

偏差値が高ければ、学費の安い大学に入れるということです。

学費の高い大学は、「大して勉強が出来ないけど医師になりたい(親がさせたい)人」のための選択肢になっています。

6年制のため4年制大学より学費と訓練期間がかかるわけですが、それは給料が高いこととは関係ありません。

給料が低ければ、医学部を目指す人が減るかもしれませんけども。

医師の需給バランスに影響を与える要素にはまだ暫くはならないと思います。

医師の給料の今後

人口動態で、少子高齢化社会が更に進み、人口が減少していくことは予想されています。

その途中で一時的に医療需要が大きくなって大変な時期があるかもしれませんが、医師過剰に落ち着くことになるのではないかと国は予想していて、医学部定員を現在一時的に増やしているのを元に戻す(=減らす)ことを検討しています。(参考:第1回医療政策研修会資料

延命治療をしない方針について一般的になってきたり、AIにより医師の替わりが出来るようになる分野が出てきたりすると、新たに医師になる人が少なくても医師需要が減り、長期的には医師(特に勤務医)の給料は減っていく可能性が高いのではないかと思います。

医療費を賄う税金、社会保険料にも限りがあり、値上げに根強い抵抗がある社会にあって、診療報酬を増やそうという圧力は期待出来ないでしょう。

AIを作るのに携わる医師、AIの判断に責任を取る医師など、新たな役割が出てくることも予想できますが、必要人数は減らせる(だからAIを作る価値がある)という方向に向かうことが考えられます。

まぁ、バイトと組み合わせれば稼ぎたい人は高給が維持できたり、自費診療等で給料の高い「穴場求人」が絶滅するまでは長くかかるでしょうから高給に拘る人は高給を得られるというメリットは暫く残るでしょうけれど。

まとめ
  • 医師の給料が高いのは需給バランスが需要過多に偏っているため。
  • 感情論で医師の給料が高いことについて様々な意見が出ている。
  • 今後は少子高齢化が進み人口が減少すると、医師が過剰となり給料も下がってくる可能性はある。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

ABOUT ME
kanchan
37歳。妻と娘2人。 民間病院研修医→大学脳神経外科→民間消化器内科→フリーランス。内科・在宅・内視鏡・研修指導。 2021~金融資産5000万でサイドFIREへ ラーメン|海釣りータチウオ・マダイ・アジ・アカムツ・ヒラメ・アマダイ|ボードゲーム|ハムスター|#SHIP #リべ大ペンギン #Dラボ 医師でも消耗しない生き方について発信中

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