Kanchan(@kanchanblog)です。
サイドFIRE生活をしている医師です。
FIRE(Financial Independent, Retire Early)の認知度が上がり、賛否両論は出ていますが、生き方の選択肢が増えることは望ましいことだと思っています。
きっかけになったリべ大動画
リベ大両学長からこの動画が出て、FIREにもバリエーションがあって、どのFIREを目指すのがいいのだろうと考えた方は多いのではないでしょうか?
4種のFIRE
Fat FIRE:誰もが思い描く経済的自由な億万長者。2億円~(生活費800万~)の資産が必要で上を目指すとキリがない。
Lean FIRE:極端に支出の少ない仙人のような生活。資産2500万円位(生活費年100万程度)から見えてくる。
Side FIRE:好きな副業+資産収入で生活すると必要資産額が半分(生活費12.5年分)になり手が届く。(学長おすすめ)
Barista FIRE:時短勤務+資産収入で社会保障も得ながら安定させる。必要資産額はSide FIREと同程度。
この4種類になっていました。
しかし、FIRE業界(?)では、Side FIRE ≒ Barista FIREで、もう一つはCoast FIRE が挙げられることが多いと思います。
Side hustle=好きな副業とBarista=気楽なパート労働(+社会保険)で収入源に違いがあれど、苦痛の小さい少額の収入があれば生活費を賄う資産所得の規模を小さく出来るという本質は同じだからですね。
ここに加わるCoast FIREは、次のステップで出来る難易度の低いFIREです。
- リタイアしたい年齢(例:50歳)とその時点での目標資産(例:8000万)を決める。
- 投資利回り(例:年6%)から逆算して「今必要な資産額(38歳で4000万、26歳で2000万etc.)」を求める。(72の法則で求めやすい)
- その額の資産を貯めてしまったらほったらかし投資(全世界株インデックスやS&P500インデックス投資)をする。(Coast FIRE達成)
- 追加投資なし、収入は使い切る生活をしていても目標資産額になっていると言う理屈です。
もはやFIでもREでもないというツッコミが聞こえてきますが(苦笑)、節約生活を続けることに豊かさを感じられない方なんかには「資産形成と今の豊かな生活のバランスを取りやすい」という意味で取り入れられる考え方なのかなと思いました。
4種類のFIREまとめ
Fat FIRE | Lean FIRE | Barista/Side FIRE | Coast FIRE | |
難易度 | ★★★★ | ★★★☆ | ★★☆☆ | ★☆☆☆ |
特徴 | 贅沢な人生 | 倹約の鬼 | 好きな仕事で生きられる | 金の心配なく浪費出来る |
年間生活費 | 800万円~ | 200~400万 | 300~500万 | 300~500万 |
必要資産 | 2億~ | 5000万~1億 | 3800万~7500万 | 2000~7000万※年齢次第 |
収入 | なし | なし | あり(週2~3日労働) | あり(フルタイム) |
みんな憧れるFat FIREはコツコツ労働+節約では到達が普通に老後になってしまいそうです。起業であったり投資であったり「社会的成功」と言われるだけの収入が無いと難しいでしょう。
Lean FIREは「仙人生活」を楽しめるかどうかという篩(ふるい)に残った人で、副業込みで高収入が稼げるという条件をクリアする必要があり、早期リタイアをするならやはり人を選ぶ道です。
という訳で、一般人にはBarista(Side)FIREかCoast FIREが現実的な手の届く目標になると思います。
ここで気を付けなくてはいけないのが、何でも稼げばいいという訳ではないところです。
好きな仕事、稼げる趣味が理想的。最低限嫌々働いてはいけません。
FIREは人生を豊かにする手段であって目的ではないので、豊かな人生にとって必要な仕事・副業であるべきです。
嫌な仕事に縛られている時点で経済的自由とはとても言えないですよね。
必要資産額の難易度はCoast FIREが最も低いですが、「自分にとって苦にならないフルタイム労働を見つける」というミッションが人によっては困難という可能性も考えられます。
価値観を明確にすることが本当のスタートになるかもしれません。
医師のFIRE計画-スタートまで
医師は平均収入約1200万とやや高い額で安定している現状ですが、4000万以上の「バグった稼ぎ方」になるには、開業で成功したり、自由診療で稼ぎまくったり、バイト三昧生活だったり、簡単ではなく誰でも出来るものではありません。
上記4種類のFIREの難易度は医師にとってもほぼ同じだと思います。
一般社会と大きく違うのは、バイト収入が「バグっている」ことです。
週2日労働で年収1000万を狙える業種はそうそうないでしょう。
生活費が人並みであれば、極論資産ゼロでもサイドFIRE生活をスタートさせることが出来ます。
医師バイトの仕事が嫌でなければ、サイドFIRE生活完成。
イージーモードには違いないと思います。
そういう意味では医師になった時点でサイドFIREが最も最短で到達出来ると言えなくもないです。
まず雇われる医師になるために必要なことを書いた記事はこちら。
収入と資産に目を向ければ、簡単そうな医師のFIREですが、障害となる難しい問題もあります。
医師との付き合いが必然的に多くなり、周りの医師に金銭感覚が影響されると見栄のための出費が嵩みやすくなります。
「職業柄御祝儀は多めに包まないと・・」とかですね。
住居、車、子供の学校、衣類、時計、、、支出額が青天井に上がり得る商品は枚挙にいとまがありません。
世襲される傾向の高い医師は、親に浪費家の価値観を植え付けられてしまっていて蓄財の足枷になることもあります。
意外と医師がお金を貯めにくいという話は下記の記事にも書いてあります。
医師として苦しさを感じない仕事で平均的に稼げるようになり、出費を増やす罠を回避して、蓄財レースをスタート出来たら規律を守れば経済的自由への道は開けてくると思います。
医師のFIRE計画-目指すべきところ
4種類のFIREのうちどれを目指すべきかという本題についての結論は、「4種類のFIREの良い所を組み合わせて自分に合ったFIREにアレンジすること」です。
私の場合は、Fat FIREを目指しつつ、その過程も楽しみたいと思って、金の余るサイドFIRE(フリー医)を選択しました。
長期投資でしばらく取り崩すつもりなく運用していて、中間目標額には到達しているので、Coast FIREしながらSide FIREしているとも言えるかもしれません。
Lean FIREされている方の節約方法は大いに参考になりますし、「節約の掟」を破るに値する「豊かな浪費」も積極的に探して、使う力を高める努力を続けています。
時短家電や自動車や旅行は幸福度を上げてくれる浪費だと実感しています。
Coast FIREの考え方は、今を豊かにするお金と将来の資産のバランスを取るために使えます。
年利6%で2倍になるのは12年、4倍になるのは24年かかりますから、(リタイア年齢-24)歳で目標資産額の1/4が貯まったら、そのあと稼いだ分は全て使うことが出来るという考え方です。
24年後の400万円と、今の100万円が等価
36年後の800万円と、今の100万円が等価
何だか不思議な感じがしませんか?
長期的な視点に立って、24年後の400万円、36年後の800万円を選択できる人はお金持ちになりやすいのは確かですが、24年後、36年後に生きている保証、健康体である保証はどこにもありません。
今の100万円の価値を認めながら、最大限引き出せるようになる力も大事だと思います。
そして現実の世界では全部投資する必要も、全部浪費する必要もないのです。
今50万円を使い、残りの50万円を投資に回して36年後400万円に育てて使うことも可能です。
こんな感じに今と将来のバランスを考えるときに具体的に数値化できるのは便利だと思いました。
「今の現金」に執着し過ぎてバイト三昧の罠に嵌っていくと、時間が足りない感覚に陥りやすくなってきてストレスを増大させてしまいますがそれはまた別の話。
最低限抑えておかなくてはいけないポイントは、リスク許容度に合った投資をすること。
お金と人生の価値観に沿ったFIREを計画していくようにしましょう。