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自信のない医師の自信を追い求めたキャリア

Kanchan(@kanchanblog)です。

仕事は人生を語る上で、言うまでもなく重要な要素です。

以前記事にしているし、プロフィール記事にもなっていますが、

人の認識は日々変化し、その変化について解釈を変えてしまう人間の不合理さもあるため、現時点(2021年5月28日)でのキャリア観について書いておこうと思いました。

医師を志すまで

人の役に立ち、人の生命に触れて、感謝される事も多い、やりがいのある仕事ということで医師を目指し始めたのは中学生のころ。

給料が良い。働き口に困らない。そういう表面的なことも無視できない要素だと思っていました。

研修医の過労死事件が報道されて社会問題になったりもして、社会的に医師は聖職というより一労働者と認識されるようになってきた時期でもありました。

臨床研修必修化が始まり、研修医の扱いも全国的に変わりつつありました。

同時に専門医の扱いも変わろうとしていました。

どんな医師になりたいか。」

学生の頃から一貫して自問自答し続けています。

医師人生と自信

幅広く診ることができて、専門性も持った医師になりたいと思って、一般病院で研修をスタートさせました。

その選択には後悔はありません。

しかし初期研修を終えて自信が得られたどころか、自信喪失しました。

何か専門を持っていないと、はっきりした物言いも、明確な決断も出来ないと思ってしまったわけです。

専門医を目指すにあたり、専門性の弱さと指導体制の弱さが気になったことで、

後期研修先は病院を変えて、大学で脳神経外科の道に進みました。

大学病院の仕組み、関連病院の仕組み、脳神経外科の専門性、学問的な学び方、学会発表やプレゼンテーションのお作法、手術の学び方、大学医局という文化。全てが新しくて貴重な学びになりました。

しかし、過酷な環境で私生活を犠牲にして医局人事に振り回される10年近い歳月は、支払うコストとしては大きすぎると思いました。

最終的にどこでどんな医療がやりたいかということも考えました。

夜遅く仕事が終わり、深夜近くまで医局で手術の自主練をする先輩や同期。

疲れたから22時に先に帰ることさえ、「やる気ないな」と批判的に見られる環境。

5年後、10年後に脳外科医として自信を持って働いているイメージはどうしても出来ませんでした。

体調を崩したこともあり、5年目のとき内科系で一番興味のあった消化器内科を一般病院で学び直してみたいと思うに至り、転科することにしました。

専門性を持っていることは、病院で診療する上で自信になるとこの時まだ信じていました。

転科してからは、総合診療医の視点も持った消化器内科医としての仕事になりました。

大学で学んだ「専門性の勉強の仕方」で消化器内科症例を経験として消化するうちに、指導体制の薄い病院でしたが、着実に力をつけていくことが出来ました。

それでも独学でガイドラインレベルの診療をしているのを、専門医レベルと言っていいのかどうか。

確信が得られない日々が続きました。。

消化器内科の先輩医師に相談して、治療方針については自分で考えた方針が採用されることが多くなってきました。

内視鏡の医長に就任したこともありました。

仕事の負担や責任も段々と増えてきて、病院から認められてきたとも言えるのでしょうが、

自分では今一つ確信が持てずに診療していました。

肝疾患を半ば独学で沢山診ていましたが、専門医や参考に出来る人も居なかったということも大きかったです。

自信が欲しい。裏付けとしての専門医資格を取りたい。

そんなモチベーションもあり、他院に移籍してみることにしました。

結果として分かったのは、診療のレベルについては大きく間違ったことはしていなかったということ。

もっと積極的に検査・治療しても良かったということ。

稼げている病院の運営方法についても学べました。

そして、他所は他所で科ごとの軋轢や、経営手法に合うかどうかという問題があるということ。

環境を変えてみると、当たり前が当たり前でなくなること。

病院の在り方について多くの気づきがありました。

同時に、自分についても気づいたことがありました。

ずっと自信を追いかけてキャリアを歩んできたんだ」ということ。

専門性や得意なことがあれば自信が付くと信じていました。

実際に専門医を取ってそれなりに地位が固まってきたところで、追い求めてきた「自信」は身についていませんでした。

真の自信を見つけてフリーランス医へ

自信について自分と向き合いながら考えました。

私にとって真の自信とは穏やかでいられるメンタルの強さであったり、時々ダメになってしまうことのある自分を受容し、さらけ出すことが出来る強さであったりするのかもしれないなと思いました。

自信に含まれる要素には、自己効力感(自分の行いによって自分自身や周囲を変えることが出来るという感覚)、自己受容(ありのままの自分を受け入れることができること)、優越感自己肯定感、様々あると思います。

自分にとって大事なのは自己受容だと気付きました。

近しい人と接していても取り繕ったり、マウントを取ったり、攻撃的になったり、心を閉ざしたりしてしまうのは、自信がないことの裏返しです。

弱さを受け入れているからこそ明かしても大丈夫という人こそ本当に強い人。

そういう人になりたかったと気付きました。

専門医や経験によって出来る自信というのは、優越感、自己肯定感と言ったものなのかもしれません。

人にもよると思いますが、私にとっては自信を得る手段としては違うものでした。

忙しい仕事に耐えようとしていると、どうしても無感情になってくるところがあります。

プライベートが少ない、よく寝られない「忙しい生活」をまずは辞めようと思い、常勤を辞めました。

幸い外勤のお陰で収入が断たれることはありませんでした。

フリーランスにしておいて、

仕事のうちで楽しいこと、やりたくないこと、得意なこと、苦手なことを分けて考えてみました。

まずやらないことを決めました。

「夜中休めない仕事」はやらないことにしました。

「スキルにならない単純な仕事」はやらないことにしました。

「楽しいと感じない仕事」はやらないことにしました。

結果として今はフリーランスの医師として内視鏡、内科、訪問診療、研修指導の仕事を3施設で引き受けています。

常勤で働くべきだとか、昔ながらの考え方をする人が、医療業界の上の方にいくほど多いかもしれません。

自分の中にもそんな先入観があって、常勤辞めた当初は後ろめたさを感じたこともありました。

だが、人は自分が思っているより他人に対して興味がない

自分で自分を責めるか、認めるか、選ぶことはできる。

認めようが認められなかろうがそこにいる自分は自分

何の保証も責任も取ってくれない世間様のふわっとした意見より、自分の気持ちに従うことにしました。

原点回帰~どんな先輩になりたかったか~

研修医の頃、上級医に相談した時に質問に質問を返すような返事があって、何も解決しないということがありました。

病院には自信なさげな人ばかりだと思いましたし、自分もそんな医師になってしまうのは嫌だと思いました。

それ以来、問題解決できるかどうか、に医師の力量を見るようになりました

そこには専門医かどうかはあまり関係なく、大切なのは勉強していることと、問題と向き合う態度でした。

「画像を見るだけ、人の聞いたことを鵜呑みにする、患者に会いに行かない、責任取らない、そんなんじゃ問題は解決できない。相談主の悩みを解決できない。」

当時の上級医に対して感じた苛立ちが、反面教師となり、問題を解決できる能力を身に付けようというモチベーションになったなと思い出しました。

自分の場合

ある程度の経験を積んで、専門医になり、問題解決能力が身に付いたらどうなるか。

おそらく多くの中堅からベテランに差し掛かった医師は、仕事が多くなって、研修医の相談なんかに悠長に付き合ってじっくり説明してあげるような時間はないのかもしれません。

例に漏れず私も研修医から相談されることがあっても、忙しくて「勘弁してくれ」と思いながら答えていたと思います。

彼らの事情、到達レベルを気にかける余裕など全くなく、必要なオーダー、指示、カルテ記載をさっさと済ませてタスクリストから消去。そんな一業務に過ぎない短い関わりだったと思っていました。

正直あまり覚えていませんでしたが、その後関わった研修医に「よく教えてくれて勉強になった」と言われていて驚きました。

その時の研修医が育って病院の主力になり、再び関わることになり、研修医を教える仕事に繋がってくるとは、思ってもみませんでした。

得意・不得意は、自分で理解しているものより、他人から評価されているものの方が参考になるのかもしれません。

自信を得る目的を見据えよう

どうしたら自信を効率的に得ることが出来るのか。

科学的に研究している人がいます。

ラス・ハリス氏の名著「自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる」に自信というものについて様々な角度から解説がされています。

自信がなくなる主な理由
1.過剰な期待
2.厳しい自己評価
3.不安に捉われる
4.経験不足
5.スキルの不足

自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる

自信のゲームで勝つためのルール
1.まず自信の行動をせよ。そうすれば自信の感情はあとからついてくる。
2.真の自信とは恐れのない状態ではない。恐れとの関係が変化した状態だ。
3.ネガティブ思考を持つのは正常なことだ。それと戦わず、脱フュージョンせよ。
4.セルフアクセプタンスは自尊心に勝る。
5.価値を絶対視するな。しかし積極的に追い求めよ。
6.真の成功とは、自分の価値に沿って生きることだ。
7.成果に捉われるな。プロセスに情熱を注げ。
8.恐れと戦ってはいけない。それを受け入れ、仲良くなり、役立つ方向に導こう。
9.失敗は苦痛だ。だが私たちが喜んでそこから学ぶなら、それは偉大な教師になる。
10.最高の力を発揮するカギは、行動に完全集中することだ。

自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる

自信が出来たら、行動しようとすると、自信は得られず、行動できなくなるという真理です。

自分も自信を追い求めてもがいてきたような感じのキャリアですが、仕事、資格取得、恋愛、結婚といった「行動・経験」があったこと(ルール1)

仕事の好きな部分、嫌いな部分と向き合い選ぶこと(ルール3)

自分をあるがまま受け入れることが出来るようにマインドフルネスを習慣化する(ルール4)

価値観と向き合う自己省察をする(ルール5、6)

その時その時の仕事には夢中になる(ルール7、10)

リスクを計算して新しい世界に飛び込む(ルール2,8)

は下手くそなりに実践してきました。

自信満々とはいきませんが、自己卑下したり無駄に譲ったりすることはなくなりました。

これは結果論であって、「自信を追い求める」姿勢は危ういものだなと思います。

他人と比較すれば上には上がいるものですし、

上記のような自信の本質が分からないまま闇雲に追いかけると、自尊心をくすぐる高額なセールスの餌食にもなりかねません。

「自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる」にも書いてありますが、自信を持ったら何をしたいか、どう振る舞いたいかについてよく考えてみることをお勧めします。

自信を持ったらやろうと思っている行動をしてしまえば良く、

もっと言えば、「行動した先の成果」が得られれば自信以上のものが手に入ります。

スキルも経験もなく、不安が強くて行動できない、故に自信がない。そんな人には一読をお勧めしたいと思います。

参考にしていただければ幸いです。

ABOUT ME
kanchan
40歳。妻と娘2人。 民間病院研修医→大学脳神経外科→民間消化器内科→フリーランス。内科・在宅・内視鏡。 2021~金融資産5000万でサイドFIREへ ポートフォリオ公開中|株式|債権|貴金属|REIT|BTC 不動産投資|ラーメン|海釣り|タチウオ・マダイ・アジ・アカムツ・ヒラメ・アマダイ|Minecraft|#リべ大🐯 #Dラボ 医師でも消耗しない生き方について発信中

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