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転科の経験について書いてみた

Kanchan
Kanchan

Kanchanです

僕には後期研修で、大学病院での脳神経外科を選択した後、合わないと感じて一般病院の消化器内科に転職、転科した経験があります。

キャリアの柔軟性は昔に比べると上がってきたと思いますが、まだ転科の経験を持つ医師は少ないと思います。

若手の先生達のキャリアを考える参考になればと思い、書いておくことにしました。

初期研修医時代

2008年 臨床研修必修化4年目の年に大学卒業、初期研修医となりました。

研修先は大学6に対して外病院4くらいの割合でした。

臨床研修制度に対する是非はあると思いますが、大学では入局者が減ることもあり、モラトリアム期間を延長してどうするんだと、否定的に捉えられていることが多かったり印象です。

対して、一般病院では、僕の研修先も含めて、幅広い知識を持った医師が増えるのは好ましい事だと好意的に捉えられていました。

「お医者さん」のイメージから、幅広くみることが出来る力をまず身につけたいと思ったので、一般病院で研修をスタートさせました。

二次救急の一般病院で、珍しく全科当直をやっている所だったので、generalistとしての力を培うには良かったです。

研修医から主治医をさせてもらえるので、勉強になることもあれば怖い思いをすることもあったりして。。。

レポートや研修評価会議などもこなして、何とか2年間の研修を修了する事が出来ました。

そして研修の終盤、皆と同じように後期研修をどうするかっていう話になります。

何者になりたいか、どうなりたいかという事を繰り返し考えました。

Kanchan
Kanchan

あの先生みたいに人当たり良くなりたい。でも、あの先生みたいな働き方はしたくない。。。

いい人はいるのですが、付いて行きたい、もっと言うと、同じ働き方でも頑張れる。と思える人は残念ながら居ませんでした。

ロールモデル不在の状況だったわけです。

考えたこと

どういう人間になりたいか?

自信を持って対応できるような医師

専門があった方がいいに決まってる!

幅広い領域全てを極めるのは不可能。

一つ専門を決めた方が勉強しやすい。

さて、何を勉強しよう?

脳神経外科を選んだ理由

いくつか見学に行ってみたりもして、出した結論は大学病院の脳神経外科医局への入局でした。

Yumichan
Yumichan

なぜ?
ずいぶん大胆な選択ですね。

色々と言われることがありました。

打算で色々考えても結論は出ません。

直感によるところもありました。

中で働いている先輩達が魅力的だったこと、超多忙の中でも大人な対応をされている先生方を目にして、あんな風になりたいなって思った事が決め手です。

後期研修であったこと

かくして、僕の生活は一変します。

大学病院のレジデントとなり、仕事は研修医主治医から、雑用とカンファレンスでのプレゼン、学会発表、教科書での手術、疾患、解剖の勉強へと様変わりしました。

新しいことを夢中で勉強できる時間は、いつになっても貴重だと思います。

かなり安月給になり、解禁になったアルバイトに行くようになり、病院当直、当直バイト、緊急手術と、「下積み期間」という名の奉公生活でしたが、学年の近い仲間が出来たこともあり、楽しさが勝っていました。

僕のような全く初めてからの入局は珍しく、同期は皆、大学で研修を始めて選択科目で脳神経外科を経験している感じだったので、数ヶ月分遅れていた事にコンプレックスを感じたりしました。

1年間大学勤務の後、医局人事というやつで、関連病院での研修をスタートすることになりました。

4年目の春のことです。

転科を選択したきっかけ

その関連病院は、三次救急まで受け入れる大病院で脳神経外科だけで6名もいました。

研修医もローテートしてきて、屋根瓦式教育係になったりもします。

勤務時間は朝7時半から夜は平均して20時位まで。

病棟回診に始まり、カンファ、手術&カテーテル、その合間に救急対応、外来等が入り、随時緊急手術になったりします。仕事終わりにカンファがあり、その後は、学会準備や手術・勉強など宿題、所謂自己研鑽の時間です。

かなりの緊急手術、緊急カテーテルをこなしながら「身体で覚える」昔ながらの指導でした。

褒められるよりは、貶されることの方が圧倒的に多い、体育会系の診療科でした。

疲れも溜まりました。

そして、将来について思案します。

Kanchan
Kanchan

この研修の先に何があるんだろう?それは成りたかったものだろうか?

専門医になれるのだろうか、試験はパスして資格を取ったとして、目指していた「頼り甲斐のある医師」になれるのだろうか。

外科領域では手術も含めて一人前になるまで10年はかかると言われています。

そこまで「耐えられる」のか。「耐える」ことに意味があるのか?

同時期に結婚もしました。

仮に専門を持ち、一人前になり、頼り甲斐のある医師になれたとして、緊急手術適応の患者さんは減らないでしょう。

労働時間は大きくは減らさないでしょう。

子供と関わる時間が確保出来ないでしょう。

大学医局で、男性医師がワークライフバランスを認めてもらえる前例などなく、明るい未来がイメージ出来ませんでした。

嫁からも「最近笑わなくなった」と心配されて、転職を決意しました。

転科先に消化器内科を選んだ理由

脳神経外科のキャリアを捨てて、一般病院に舞い戻り、内科一般とともに消化器内科を一から学ぶことにしました。

理由はシンプル。

脳神経外科に次いで2番目にやってみたかったからです。

内視鏡検査、治療は一人で完遂できるものが多く、個人の努力が実力に直結する事が魅力でもありました。

○○先生と手術入る時はこの準備、段取りで、といったような忖度にメモリーを消費しなくて済むということですね。

選んでみて知ったことですが、消化器内科は一人立ちまでの時間が比較的短い科の一つで、回り道をして選ぶには向いていると思いました。

また、大学病院から一般病院への転向をしたのは、戦力として貢献しながら学んでみたいという想いからでした。

転科してみて思ったこと

周りの目を気にしなければ、強くてニューゲームかなということ。

初期対応に必要な基礎知識であったり、教科書選び、文献検索、学会や研究会といった学び方を知った状態で学びなおすのはゼロからよりも効率的で、上達は少し早いと思います。

新たな同期にも恵まれました。

学年とか専門とか、変に意識して卑屈になる必要はありません。

学年は下だけど、消化器内科歴は先輩という先生もいて、面白い関わり方だなと思いました。

予定にはありませんでしたが、脳神経外科のカテーテルの知識が腹部血管造影、TACE/TAEで活かされたりもしました。

脳卒中、てんかん、意識障害、頭部外傷の知識は内科当直、一般外来などで地味に役立ちます。

デメリットは、基本的に「人の目を気にする」ことから起こる問題です。

  • 転職の際に転科の経緯を聞かれる
  • 専門科としての年数で判断され同学年よりも年収が下げられることが多い
  • 年下の上司に付くことがある
  • 一つの専門で進むキャリアが主流な中で「異端」である

金銭的なデメリットは普通に節約すること、人の目は気にしないことで、大した問題ではなくなるのではないかと思いました。

楽しいか、楽しくないかを重要視する僕と似た価値観の人にとっては、キャリアを一新してみることは悪くないと思います。

2つの専門知識を上手く繋げられれば、オリジナリティを発揮出来そうだ!とも最近は思っています(まだ実現に至っていない今後の課題です)。

最初に目指した「自信を持って対応できる医師」になれたのかと言うと、専門医として標準的な治療についてある程度自信をもって提示することは出来るようになったと思います。

しかし、それだけで病気が解決しないこと、納得されないことも少なからずあります。

医療の限界、現場の課題について感じることが増え、「自分のできること」「自分にしかできないこと」を模索し始めたところです。

若手の先生にメッセージ

長い文章読んで頂きありがとうございました。

しょぼい物語ですが、参考になれば幸いです。

これからキャリアを歩んで行く先生方には、是非やりたいこと、夢中になれることを見つけて全力で取り組んでいってもらいたいと思います。

全力で勉強したことは、思わぬ形で後から役に立ってくることがあるからです。

何が役立つことになるかは分かりません。

それは正解のない話です。

これまでは、目標を一点に定めて、計画的に積み重ねていくキャリアが昔から是とされてきました。しかしこういった、「山登り型」キャリアには、崩れると挫折感が大きいという弱点があります。

変化の激しい時代だから、「波乗り型」と言われるような、その時々の課題を目標にして取り組みながら、今を楽しむ事にフォーカスしたキャリアもアリなんじゃないかと考えています。

小さなことでもいいから、挑戦して欲しい。それが一番伝えたいメッセージです。

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一般内科、消化器内科、救急、脳神経外科、大学病院、関連病院、民間病院。色々な医療現場を経験してきました。 医療×テクノロジーで未来を創造することが夢です。

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  1. […] 仕事は人生を語る上で、言うまでもなく重要な要素である。以前記事にしているし、プロフィール記事にもなっているが、人の認識は日々変化し、その変化について解釈を変えてしまう人間の不合理さもあるため、現時点でのキャリア観について書いておこうと思う。 […]

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