投資

【読書感想】株式投資の不滅の真理~ウォール街のランダム・ウォーカー~

著:バートン・マルキール、訳:井出正介

サイドFIRE生活をしているKanchanです。

FIREとは切っても切れない関係にある投資の勉強のため、表題の著書「株式投資の不滅の真理 ウォール街のランダム・ウォーカー」を読了しました。

45年前初版が出てから12版まで改定を重ねている名著です。

表題に大胆にも「株式投資の不滅の真理」とあるように、正解のない株式投資の世界で限りなく真理に近い内容になっています。

著者はビジネススクールの大学教授でありながら、バンガード社の社外役員等ビジネスの世界にも居たという経歴。

言葉選びには、客観的であろうとする努力がにじみ出ていると思いました。

本の概要と感想をシェアしたいと思います。

あらすじ

ざっくりと内容を先にお伝えしておくと、

  • ファンダメンタル波、テクニカル派、それぞれの考え方と実績、弱点
  • バブルの歴史
  • 行動ファイナンス学派の登場
  • 現代ポートフォリオ理論
  • スマート・ベータ戦略、リスク・パリティー戦略
  • 実際の投資との向き合い方(米国の税制を上手く使う方法に結構割かれています)

という構成。

ハードカバーで500ページに及ぶ大作。

読むのに実質2週間かかりました。

多分、経済や投資についての基礎知識が無いと読むのはしんどいかなという内容です。

読む目的

書籍やYouTubeなどで投資について勉強をしてみて、自分に合った投資は分散したポートフォリオを組んで損失リスクを減らして、平均的なリターンを得ることかなと思っています。

そんな中で、新しく取り入れられるようなポートフォリオや投資先選びの手法がないかなということが一点。

それから2021年4月現在コロナバブルとも言われている相場ですが、バブル相場の特徴を歴史から学べないかということがもう一点。

これらを念頭に置いて通読していきました。

感想

ウォーレン・バフェットのスノーボールや、ハワード・マークスの投資で一番大切な20の教えで読んだのと、似たような金言が載っていました。

銘柄選択で成功するための4つのルール
1.少なくとも5年間は、一株当たり利益が平均を上回る成長を期待できる銘柄のみを購入すること
2.企業のファンダメンタル価値が正当化できる以上の値段を払って株式を買ってはならない
3.近い将来、「砂上の楼閣」作りが始まる土台となるような、確固たる成長見通しのある銘柄を購入するとよい
4.なるべく売買の頻度を減らすべし

投資で成功した人が辿り着く「真理」は同じようなところなのかなと思いました。

バブルの歴史

初版が古い本で、歴史が詳細に書かれているのが、まず読み物として面白いと思いました。

バブルの歴史については、17世紀オランダのチューリップバブルから始まり、イギリスの南海バブル、1920年代の米国でのバブル(とそれに続く世界恐慌)、日本の地価バブル、記憶に新しいドットコムバブル、米国住宅バブル、仮想通貨バブルが描かれています。

歴史には詳しくなかったので、新鮮で面白かったです。

熱狂は人を狂わせ、友人が儲けているのをただ黙って見ていることに耐えられない心理が大きな損失を招く。

「買わざるリスク」と言われるように機会損失を恐れるような空気が広まると、翌日急落。とかよくある話です。

これが月単位で継続し、上がるところまで上がると、大暴落で経済が停滞する。

そして、バブルの記憶はすぐに忘れ去られてしまう。

今のダウ平均最高値更新を続ける相場を見ながら、気を引き締めるきっかけになりました。

学べた投資手法

スマート・ベータ戦略、リスク・パリティー戦略は考え方、やり方が美しく、興味深いと思いました。

どちらもリスクを下げながらリターンを高める戦略です。

スマート・ベータ戦略は、低コストの市場インデックス・ファンド以上のリスクを取らずに、それを上回るリターンが得られるような、一種の「消極(パッシブ)運用」のこと。

シャープレシオ(超過リターンと金利利回りの差÷リターンの標準偏差)を高められるように、相関しない銘柄を傾斜をかけてポートフォリオを組んで、最適になるようにするという感じなのですが、具体例や詳細については述べられていません。

多分、詳しく書こうとすると一冊の本になってしまう話なのかなと思いました。

リスク・パリティー戦略は、レイ・ダリオ氏のブリッジ・ウォーター社で採用され成功を収めた戦略で、低リスク低リターンの商品は高リスク高リターンの商品よりもリスク見合い以上のリターンを生む傾向があることに着目して、

借入金でレバレッジを高めて低リスク資産を保有することによってリスク、リターンを共に高めれば、リスク見合い以上のリターンが得られるという戦略です。

これは凄いと感心させられました。

ブリッジ・ウォーター社の社風はミスがあるとこき下ろし、集団リンチのように責められるという、パワハラ系ブラック企業だったようで、入社するのは御免ですが・・・w

現代米国金融市場の歴史

米国の金融市場の歴史を10~20年単位で振り返り、安寧の時代、受難の時代、豊穣の時代、失望の時代となっていて、これまた今後を予想するのに参考になると思いました。

安寧の時代

1947.1-1968.12

株式(S&P500)が年平均14.0%上がった一方で、債券1.8%、インフレ率2.3%

第二次世界大戦後、大消費ブームが訪れて経済成長が進んだ時期です。

安全資産と言われる債券ですが、債権に投資していたらマイナスになっていた時代なんですね。

現金はそれ以下ということ。

常識に凝り固まっていると不意打ちを食らうことは避けられないなと思いました。

受難の時代

1969.1-1981.12

株式利回り5.6%、債権3.8%、インフレ率7.8%

ベトナム戦争、オイルショック、食糧危機があって、インフレが一気に進んだ時期です。

労働コストも上がり、企業の成長は停滞し、株を持っていても、債権を持っていても、インフレ率に負けて損をする。そんな時代でした。

何が強かったのかというと、「有事の金」であり、不動産でした。いわゆるコモディティ(現物)です。

こういうこともあるから、あらゆる状況に対応できるように分散投資をしておくべきということなんでしょうね。

豊穣の時代

1982.1-2000.3

株式利回り18.3%、債権13.6%、インフレ率3.3%

好景気の時代ですね。しかし、前の時代が散々であったために、この時代の最初の頃に株や債券を仕込むのは相当な物好きと受け取られることでしょう。

「人の行く裏に道あり、花の山」とはこのことだと思いました。

日本は途中でバブル崩壊の憂き目にあい、失われた20年時代に突入しますが、米国の経済成長が続いているのは周知のことです。

S&P500インデックスファンドを持っているだけで億万長者になれそうな利回り。

羨ましいですが、栄光はいつまでも続くものではありません。

失望の時代

2000.4-2009.3

株式利回り-6.5%、債権6.4%、インフレ率2.4%

ドットコムバブル崩壊から始まり、住宅バブル、リーマンショックが含まれるこの年代。

株式利回りは10年でマイナスという最悪の時代。「失われた10年」とも呼ばれているようです。

優良な債権に投資できていればその恩恵を預かることができたというのは、後付けの話。

お勧めの投資手法

投資に関して確実に言えることは「何がどうなるかさっぱり分からないということ」と言われることもあるように、未来に絶対はありません。

でも、株式については超長期的に見ると安定して右肩上がりというデータがあり、10年ではマイナスのことがあっても、15年を切り取ると、どのスパンでもプラスというデータもあります。

個別株では倒産してゼロになるリスクはあるので、S&P500などの有力なインデックスに投資して、長期保有することがポートフォリオ株式部分の基本となるのかなと思います。

株式、債券、不動産、コモディティ、現金(、仮想通貨)を取れるリスクと、確保しておかないといけない安全マージンと、欲しいリターンのバランスで配分を決めて、バイアンドホールドでただ見守る。

それが一番安定するのだろうなと改めて思いました。

市場サイクルを読んで、ここ10年は低金利高株式利回りで「安寧の時代」に近かったから次はコモディティの時代(「受難の時代」)になるのかなと、コモディティ、不動産を多めにするとか考えることも可能ですが、それも外れるリスクも考えてバランスを整えておきたいところです。

現金だけでは、インフレで損をする可能性は高いわけで、投資とは逃げずに向き合っておきたいと思いました。

ABOUT ME
kanchan
37歳。妻と娘2人。 民間病院研修医→大学脳神経外科→民間消化器内科→フリーランス。内科・在宅・内視鏡・研修指導。 2021~金融資産5000万でサイドFIREへ ラーメン|海釣りータチウオ・マダイ・アジ・アカムツ・ヒラメ・アマダイ|ボードゲーム|ハムスター|#SHIP #リべ大ペンギン #Dラボ 医師でも消耗しない生き方について発信中

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