Kanchan(@kanchanblog)です。
サイドFIRE生活をしている医師です。
常勤医生活11年、色々なことがありました。
臨床の楽しいところも苦しいところも経験できたのは、指導医の先生方のお陰で、トータルで言えば感謝しています。
ですが、指導医には昭和気質の先生やその世代に育てられた人も多く、今思えば心無い言葉を浴びせられることもありました。
今回は指導医の先生からの心無い言葉を取り上げて、思うところをつらつらと書いてみたいと思います。
医師の人間模様が知りたい人
パワハラ上司に困っている医師
パワハラに対して理論武装したい人
先生は他所では通用しないんじゃないか
はい、出ました。
退職を申し出た時の典型的な引き留め文句です。
社会人歴の浅い人、転職後経験が浅い人はよく言われることかもしれません。
退職後の不安を煽り、引き留めようという安易な言葉です。
お前は未熟だというニュアンスを含み、不快感を与えます。
退職を申し出る時点で気持ちは固まっているので、揺らぐことはありませんでした。
寧ろ、「ここではどこでも通用するように育てられていません」と白状したも同然。数年間同じ所で働いていたのに何を指導していたんだ?という指導力不足の棚上げもいいところ。
辞めると決めて、辞めると言い出して正解だったなという確信を得ました。
逆の立場で考えて、皆さんは退職を申し出る人が居たら今後の活躍を願い、「いつでも戻ってきていいぞ」と快く送り出せる懐の深い同僚になって下さい。
そして、辞める予定の人が一番輝いているような職場なら、継続を考え直してみても良いと思います(笑)
普通にやってくれたらいいから!このままだと仕事任せられない。後輩の下に付くことになるぞ。
研修医時代に抜け・漏れを指摘されて、苛立ちを乗せてけなされた時の表現です。
お前だけできてない。
恥ずかしくないのか。
レベルが普通以下。
人格攻撃のニュアンスを含むこれらの言葉が類義語になります。
パワハラに当たる言葉ですが、当時は現在よりもパワハラは認知されておらず体育会系の指導として多用されていたと思います。
「普通」は本人の頭の中にしかない幻想です。
みんなと一緒であるはず、あってほしいという願望も入っていて、具体的に言わなければ伝わるはずもありません。
あなたの普通と私の普通は違います。
その違いを説明することもせず、要求を察せよと言うのは怠慢と言わざるを得ません。
指導医としての仕事をして下さいという話です。
自分の家族を任せたいと思えるように診ろよ
これだけはパワハラと断定できない言葉です。
この言葉の受け取り方は言い方や文脈、言う側との関係性によって大きく変わると思います。
家族を診るくらい真剣に診なさいという指示は全くその通りです。
言われた状況はカンファレンスで鑑別診断の検査が不十分だ、という指摘からだったと思います。
研修医の力量しかない時に怖い先生からそんな大きなことをいきなり言われても「自分なりに家族を診るつもりで診てますよ」と思うだけで、全然ダメ&具体的な改善方法は示さないというネガティブメッセージが伝わっただけした。
その時はいまいちでしたが、その後独り立ちしてから思い出してみると、また違った意味で自戒を促す良い言葉だなぁと反芻しました。
どけ!(電子カルテを書いていて)
救急患者の対応をするために指導医と共に動いていて、患者の記録を書いていた時に近くのPC端末が埋まっていて、「どけ!」と言われた話です。
必要なオーダーや記録があるのなら口頭で言ってもらえれば代わりに出来た状況ですが、疲れていたのかコミュニケーションも面倒がって「どけ!」となった訳です。
もはや人間扱いされていないと感じる言葉です。
録音や証言が得られれば、抗議したり処罰を求めて問題にしてもいい事案かかもしれません。
その後も人間関係は続くことから、異動や退職が決まっていなければ割に合わず、その人と静かに距離を取ることとなります。
皆さんは疲れていても、イライラしていても、暴言を吐いて信用を失うことの無いように気を付けましょう。
先生には全く期待していないって
常勤医として独り立ちして当直もオンコールもフルコミットしていた時に、「上司が君(私)には全く期待していないって言ってた」という話を同僚から聞いてしまいました。
フルコミットする価値がない病院だと知って、退職に向けて動き出した次第です。
独り立ちすると、凹んで理不尽に耐える以外に選択肢が増えて良かったなと思いました。
感想
世の中には言って良いことと悪いことがあり、時代によっても少しずつ変わるものだと思います。
今回挙げた例は言ってはいけない言葉の数々です。
体育会系、パワハラ系の先生方にも尊敬できるところは沢山ありますが、こういう暴言や怒りに任せた言動をしてしまう点については反面教師にして、言葉選びは慎重に、
良い後輩を育てられる先輩でありたいと、自戒を込めてまとめさせて頂きました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。