Kanchan(@kanchanblog)です。
サイドFIRE生活をしています。
この記事を書いている2021年11月17日現在、米国株を中心とした世界的な株高で最近になって投資を始めた方、始めようとしている方が増えていると思います。
相場の世界には「相場格言」といって、心構えや行動指針になり得る本質を突いた名言がいくつもあり、相場の奥深さ・難しさを端的に表していて、とても為になります。
投資を少しでも経験し、相場の難しさを知ったら納得するものばかりです。
初心者が陥りがちな罠を回避するのにも役立つ相場格言を5つピックアップして紹介したいと思います。
投資初心者が覚えておきたい相場格言
人の行く裏に道あり花の山
多分、一番有名な相場格言の一つだと思います。
人並みの行動をしていたら、人並みの成果しか得られない。
並外れた結果を出したければ、人と違った行動・投資をするのが良いという意味です。
この格言は投資の本質だと思います。
初めてこの格言を知った投資家は「よし!人と違う投資をするぞ!」と気合を入れますが、この格言ほど「言うは易く行うは難し」になっているものもありません。
たとえば、この十年は米国株に投資していれば上昇の波に乗ってかなりのリターンがあげられましたが、米国株に10年前全力で買い向かうということは、その直前10年で最も大きなリターンが得られたBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に代表される新興国株に見向きもせず、リーマンショックの余波が残る中で10年でマイナスリターンとなった米国株を大金をはたいて買うということです。
「見放されている価値のある株」を見分けるのは簡単ではありません。
見放されている株には見放される理由があるわけで、そのまま見放されっぱなしの株では損をして終わります。
「本当は価値のある株」でも、その価値が評価される時代が自分の死後訪れるようであれば、「損に終わった投資」になります。運の要素も働くのです。
ただ、「みんながやっている投資」を知ることは投資行動を決める一つの参考にはなると思います。
昨今で言えば、米国株や全世界株のインデックス投資ですね。
成長を見込まれて高値圏になっている株価は、成長に鈍化の兆しが見えると、少しずつ成長していても見放されて、下落相場入りしてしまいます。
米国株は2021年では最も上がったアセットで、完全に外すのは合理的ではありませんが、全振りするのも米国株一強のシナリオが崩れた時に大きな痛手を負うリスクがあります。
「そう思う人が多いから、逆に一点張り」というのも考え方の一つ。裏の裏を読んでいったら表になった。みたいな難しさもあります。
考えれば考えるほどややこしくなっていくこの格言こそ、相場の本質だなぁと投資を経験すればするほど感心します。
私の一番好きな相場格言です。
卵を一つの籠に盛るな
分散投資を勧める相場格言です。
一つの籠に盛られた卵は、籠が落ちるとまとめてダメになる高いリスクがあります。
なので、一緒に落ちないいくつもの籠を用意して、資産を分散しようというお話です。
しかし難しいのは、最近は世界中の株式や債券や貴金属、不動産に至るまで、急落時には一緒に落ちるようになってしまったことです。現金も常にいくらかは用意しておくのが暴落の極期には役立ちます。
下げ幅の大きさや回復の速さは異なっているので、いち早く資産を回復させて、暴落を稼ぎ時に変える投資家は上手に分散させていたり、空売りを利用して下落の中で稼いだりもしています。
どういう分散をすればいいのかについては、経済学者などによって研究されています(参考:分散投資を超えて―アセットアロケーションの実践)が、非常に難しい内容でした。
こちらも考えるほど深い格言になってきますが、初心者のうちは一つの銘柄だけで勝負と言うような買い方はしないように別業種の会社もいくつか組み合わせて持ったり、他国の株式を持ったり、連動しない複数の資産を持ってリスクを分散させるようにすると、大怪我が避けられ投資が続けやすくなると思います。
二度に買うべし、二度に売るべし
「もうはまだなり、まだはもうなり」とも言われますが天井だと思ったらもっと上がったり、底だと思ったらもっと下がったり、もっと下がると思ったら反発したり、読めない動きをし続ける相場だからこそ一点張りのような買い方、売り方はせずに売買の時期を分散させようという格言です。
この考え方はとても大切です。
一点張りになると、慎重になりすぎたり、力み過ぎたりしやすいものです。
冷静さを欠いた取引は、人を割高で買わせたり、割安で売らせたりするものです。
買おうと思っている金額の1/2ずつ2回に分けて買う、売ろうと思っている金額の1/2ずつ2回に分けて売るということを心掛けると、底値や天井じゃなくてもいいやと肩の力を抜いた取引が出来るようになり、良い結果に繋がることが多いです。
全財産の半分以上で買うといった投資行動も避けた方が良いです。
この格言はすぐにでも実践できる初心者向けの格言です。是非参考にしてみて下さい。
休むも相場
証券口座を開設して、株取引が出来るようになると、タイミングの読みずらい難しい時期であるにもかかわらず「何かに投資していたい」ポジションを取っていたいという症状に陥りやすくなります。
お金を銀行預金の超低金利で寝かせておきたくなくて証券口座を開いたのに投資をしないなんて!と思ってしまうかもしれませんが、売りも買いもしないという選択も時に大事になります。
機関投資家と違って、成績を出す期限が決まっていないのは個人投資家の利点です。
ポジションを取り続けるという制約を勝手に自らに科してしまうと、チャンスに動けなくなったり、無駄に手数料を支払うことになったり、投資の成功率を下げる結果に繋がりやすいです。
最も利益を出している投資家の属性は、死んでいる人と投資していることを忘れている人というデータもあります。
リスク許容度の範囲内で、忘れていられるくらいの投資を実践することが投資の成功に繋がりやすいのかもしれません。
そういう意味では自動で積立し続けてくれるようにインデックス投資を設定してしまって、あとは忘れておくという戦略は良い戦略なのかもしれませんね。
株を買うより時を買え
投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットも「良い投資とは、良い資産を良い価格で買うことではなく、素晴らしい資産をほどほどの価格で買うことだ。」と言っています。
そして、良い株を安い価格で買うのは、安い時期を見つけるのが必須になります。
安い時期には「株式終了のお知らせ」が囁かれるくらいパフォーマンスが落ちているので、みんな買いたがらない=みんなと逆を行く必要があります。
定額で自動買付けをするインデックス投資もこの安い時期に無感情に買い増せるのが強みです。
ポートフォリオのリバランスも株安の時期に割合が減った株式を買い増して、債券などの安全資産を売る調整をすることになり、結果的に合理的な投資行動になっています。
安い時期に買うという、感情的にはやりたくない売買をいかに抵抗なく出来る仕組みを作れるかが、投資の成否を左右すると言えそうです。
まとめ
雰囲気で投資を始めて損失を出し、再開する時に幾度も助けられた「相場格言」を紹介しました。
人の行く裏に道あり花の山
卵を一つの籠に盛るな
二度に買うべし、二度に売るべし
休むも相場
株を買うより時を買え
皆さんの投資の参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。