Kanchan(@kanchanblog)です。
ご無沙汰しています。
あれこれ手を出そうとすると、ブログサボり癖が再発してしまうようです。
今回はHSP(Highly Sensitive Person)について考えてみたいと思います。
繊細さんと呼ばれることもあるとても敏感な人で、内向型であることが多い人達のことです。
何故取り上げたいと思ったかというと、私がHSPであり内向型人間だからです。
パリピか根暗かと言えば、根暗です。
人が多いところよりも、人の少ない静かな場所が好きです。
チェックテストを受けると、9割は当てはまりHSPになります。
HSPや内向型の特徴を調べてみると、敏感さから得られる情報が増え、物事を深く考えることに優れ、成績優秀であることが多いということで、医師にも多いのではないかと思いました。
一般人口の約20%、5人に1人がHSPと言われています。
医師の中でどんな割合かは分かりませんが、身の回りの医師を思い返すと「大人しい人」「よく考える人」の割合は20%よりは多いですw
そんなHSPの人は、刺激をもらい過ぎて疲れやすい、バーンアウトやうつ病のリスクが高い、といった特徴もあるため、激務で責任の重い医師になると苦労するのではないかと考えられるのも無理はないかなと思います。
参考:HSPが医師・医者になるってどう?激務・責任とのバランス、向き不向きの話
HSPという概念を知る前は、私も医師には向いていないんじゃないかと思うくらい悩み、疲れた経験をしました。
よく分からないことは、適切に判断出来ないので、無理、才能ない、向いてない、と短絡的に考えてしまいやすいです。
アイデンティティに関わることですしね。
HSPについては、悪いことばかりではないことが知られてきました。
HSPが医師になってしまった場合、目指したいと思っている場合に、どうすればその特徴を活かして働くことが出来るようになるか、まとめてみました。
休憩の習慣を作ること
HSPの人は同じ環境にいても刺激過多になって疲れやすいです。
それが早速足枷になります。
同じ生活をしていても疲れるということは、体調の維持にリソースを持って行かれ、仕事上の勉強や技術習得までする気力が残りにくいと言えます。
そこで、オススメなのは各職場ごとに休憩場所を把握しておくこと。
時間が少し出来た時、仕事に一区切り付いた時などに1分でもいいので小休止を設けることです。
静かな場所で一時的に一人になることで、何もしなくても次の仕事に向けた整理を頭の中で行うことが出来ます。
上司や同僚と一緒に休憩することもチーム制の科などではよくあると思いますが、それとは別に1人での休憩をした方が自分の場合は良かったです。
働き方改革が進んできて、業務時間内は休まずに働いて残業を減らせという圧力がかえって高まったとしても、生産性向上のための休憩は推したいと思います。
自己卑下を止め、ミッションに集中すること
HSPには自分に自信がない人が多いと思います。
「優等生」だった人は、勉強については自信がついているかもしれませんが、人間関係作りやコミュニケーションには自信を持てないことが多いでしょう。
学生時代の順位付けのルールと、社会に出てからの順位付けのルールの違い、ゲームチェンジにも戸惑います。
医師の仕事はコミュニケーションが多いので、患者さんにどう思われているか、コメディカルにどう思われているか、上司の医師にどう思われているかということに自信が持てないと、何をするにも居心地悪くなる原因になります。
自信を持てと言われて、持てる自信などありません。
ですが、「自分はダメな奴だ」と自己卑下するほど劣っていると言うこともないはずです。
自分に注意を向けてみても良い方向に向かわないのであれば、他人、特に患者さんに注意を向けて見ると良いと思います。
患者さんに注意を向けて、一連の診療を上手く回すことが医師のミッションであり、それが出来ている医師は認められます。
他人のために頭を使うことを考えてみましょう。
準備なしで話さないこと
医師のコミュニケーションではプレゼンテーションをすることが頻繁にあります。
上司への報告、カンファレンスでの提示、他科コンサルテーション、患者・家族への病状説明、コメディカルとの情報交換と指示出し、学会発表。
繰り返し見ていると、型があって、パターンを覚えれば即座に組立てられるようになってきますが、
慣れないうちはプレゼンテーションに詰まってしまったり、的外れな話や冗長な話に逸れていってしまい、気の短い上司を怒らせることがあります。
そんなちょっとしたミスで信頼を損なったりすると、ハロー効果(目立つ特徴に引っ張られて相手の全てを判断してしまうバイアス)が働いて「ダメな奴」認定をされ、大事な手術や患者さんを任されなくなって損したりすることもありました。
対策は、準備しないで話さないこと、話すことが決まっている時は必ず準備をすることです。
型は大抵決まっているので、繰り返す中で型を覚えてしまうのが効率的です。
研修医、専攻医の方々はちょうど悩む時期かもしれません。
相手がどういう立場で、何を知りたいのか、その根拠はどう並べれば納得できるか、よく考えてみれば必要な話は決まってきます。
考える中で不足していた検査を思いついたりすることもありました。
話す準備をしてみて欲しいと思います。
比較するのは過去の自分とだけ
同期がいると、あいつはデキる、お前はデキない、みたいに比較、競争させて奮起させたいと思う体育会系の医局があったりします。
当然ですが、自分が貶められる側になると、落ち込む原因になります。
そんなあからさまなことは言われなくても、優秀な同期や後輩を見て、自己卑下してしまうこともあります。
そんな時には他人との比較は根本的に意味がないということを思い出しましょう。
例えるなら、寿司と焼肉のどっちが美味しいか比較するようなものです。
比べられるのは、過去の自分だけです。
そして、昨日の自分より1日分の経験と勉強がある分、勝ることは可能です。
昨日より落ち込んでいたとしても、落ち込んでいる中でも普通に仕事が出来たことを誇ることも出来ます。
HSPの人は、自分の弱点に気が向いて落ち込み易いかもしれませんが、全ての弱点は「特徴」です。活かすことは可能です。
仕事の場で、とは限りませんが。
HSPの医師の方が楽に生きられるヒントになれば幸いです。