Kanchan(@kanchanblog)です。
常勤医時代は消化器内科医でした。
内視鏡バイトを始めて、常勤に拘ることもないな、常勤先に求めるものもないなと、
フリーランス医に踏み出すきっかけを与えてくれたバイト先には今でも感謝しています。
それから月日が流れて、結構沢山の内視鏡バイトを経験してきました。
今回は内視鏡バイトのメリット、デメリットをまとめてみました。
内視鏡バイトのメリット4つ
内視鏡専門医を活かせる
「消化器内視鏡専門医」を取得されている医師に限った話になってしまいますが、「内視鏡専門医限定」や「内視鏡専門医歓迎」で募集されている求人が多いのは内視鏡バイトの特徴です。
基本、資格取得はスキルアップにはならないと思っていますが、こと内視鏡バイトをしようかという時には「内視鏡専門医」が仕事を引っ張ってきてくれます。
資格には受験にも、認定にも、維持にも、更新にもお金がかかる割に、資格があることによって明確に収入が上がるということがほとんど無いものばかりですが、内視鏡専門医は例外です。
内視鏡専門医が内視鏡バイトをする時には、この資格を「換金」できると言えます。
専門医があれば日給が上がると明示されている求人もありますが、それは稀です。
多くの場合は、医師が応募して、病院が選定してマッチすれば仕事を受ける事になります。
病院の立場になれば、選定するときに非専門医の医師Aと専門医の医師Bから応募が入っていれば、医師Aがすでにその病院で実績があって関係が出来ている等の特別な事情がなければ専門医の医師Bを選びたくなるでしょう。
応募が通る確率が上がるという形で専門医資格が働いてくれます。
「専門医」という名義だけでなく、内視鏡検査の実務では専門の知識、手技を活かせることもメリットだと思っています。
給料が高い
検査の質を担保したければ専門医を募集したいと思うでしょうし、その時専門医の人数が限られる以上、高額の求人募集をして枠を抑えたいということにもなります。
内視鏡バイトというだけで、健診の診察バイトやワクチン問診バイトよりも高額の求人になっていることが多いです。
専門医限定となっていれば更に顕著です。
半日単位で健診バイトなら4万円のところ内視鏡バイトなら5万円、専門医限定なら6万円のような感じです。
2割〜5割時給が高いって相当ですよね。
内視鏡専門医にとって内視鏡バイトは専門資格の換金ポイントなのです。
人と話すことが少ない
医師の仕事は患者やスタッフと話してなんぼのことがよくあります。
人付き合いが苦手な医師にとっては、苦痛となることもあるかと思います。
お局さんのような職場のキーパーソンに嫌われると、働きにくさは100倍です。
その点内視鏡バイトでは、質の良い検査を黙々としていれば会話が少ない事などは問題にされず、穏やかに過ごせます。
人間関係に苦労したくないと思っている人にとって、メリットになるかと思いました。
早上がり出来る
個人的に一番のメリットだと思っているのが早上がり出来ることが多いということです。
内視鏡検査は通常予約制です。
緊急を除いて絶食して準備してくるのが基本で、臨時で追加になることはあまりありません。
なので、検査する側にとって予定が立てやすいのです。
今日の件数が何件か確定するのが早いということは、その予定分が終わってしまえば医師も不要になるということ。
外来や健診のバイトでは、受付時間終了まで件数が確定しませんし、受付人数を全て診終わったら大体定時一杯使うことになっていると思います。
内視鏡バイトでは予定件数が終わると、帰宅可能となっていることが多いです。(16時までは終わっても待機というように設定されていることもあります)
9−17時の予定のところでも15時台に帰れることはザラにあります。
9−17時の1日9万円のところで、9−15時になったとすれば時給15000円にアップします。
その後の時間を自由に使えます。
17時には暗くなる冬の時期でも日光を浴びれるというのは精神的に良いと思います。
内視鏡バイトが病みつきになってしまいそうです😋
が、物事にはデメリットも存在するものです。
内視鏡バイトデメリット4つ
専門医がないと仕事が限られる
内視鏡専門医に有利な仕事ですが、裏を返せば専門医を持たない内視鏡医には選べる求人が減り、条件もやや悪くなりやすいということです。
内視鏡検査を仕事として、勉強も十分にしていて、専門医と遜色ない仕事をしながら、施設基準や事情などにより内視鏡専門医に「縁がなかった」医師も一定数います。
そういう場合は、内視鏡バイトに拘らずに他の仕事と組み合わせて働いた方が得策と言えるでしょうね。
人と話すことが少ない
メリットに挙げましたが、反面デメリットに感じる人もいるかと思い、デメリットにも挙げました。
内視鏡バイトで行う検査は、消化器科主治医がいない患者、被検者のことが多いです。
検診としての検査や、他疾患通院中の患者のスクリーニング検査などです。
内視鏡が出来る医師であれば「誰でもいい」検査ということです。
気楽と言えば気楽ですが、人間関係を作る場ではないので、せいぜい検査結果を一言二言説明する位のコミュニケーションです。
助手として付いてくれる看護師、検査技師もいますが、コミュニケーションは少ない仕事だと思います。
仕事で人間関係を作りたいと思えば「寂しい仕事」と思う人もいるかもしれません。
仕事が単調
「誰がやってもいい」検査をひたすら繰り返すということは、単調になってきます。
内視鏡バイトに限らず健診に携わるバイトの宿命と言えるかもしれません。
単調な中でも、時々現れる早期癌を決して見逃してはいけません。
適度に緊張感を保ち続けることが出来るようにならないと、割りの良いバイトでも苦痛になってきてしまいます。
人との関わりが薄い分、自分と向き合うことが大切と言えるかもしれません。
両手が重要な資本になる
内視鏡を仕事にすると、手の骨折や欠損といった大怪我が致命的になります。
両手が不自由なく使えないと、流石に内視鏡検査を完遂出来ません。
私は働いている間、手の大怪我を絶対しないように、バイクに乗ることは辞めました。
手を怪我したら収入源がゼロになるというのも、集中投資が過ぎると言えるので、往診やら不動産やら外来といった毛色の違う仕事にも手を出すようになりました。
まとめ
内視鏡バイトのメリット、デメリットを挙げてみました。
メリット
1.専門医が活かせる
2.給料が高い
3.人と話すことが少ない
4.早上がりが出来る
デメリット
1.専門医がないと限られる
2.人と話すのが少ない
3.仕事が単調
4.両手が重要な資本になる
消化器内科、外科の医師が収入を増やしたり、フリー医になってみたいと思ったときに参考になればと思います。