Kanchan(@kanchanblog)です。
最近大家の会などに参加していると、これから購入したいと思っている「大家の卵」の方と話をすることが増えた気がします。
気づけば2棟買った先輩になったので、色々と聞かれるのですが最も多い質問は「一棟目を買えた勇気」に関することです。
1.8億の物件を一棟目に買えたのは何故か。
購入からもうすぐ3年となり忘れつつあるので、思い出しながら当時何を考えて一歩目を出せたのか言語化しておきたいと思います。
将来の大家さんの助けになればと思います。
不動産投資を始めた理由
不動産投資に興味を持って勉強を始める前は、フリーランス医になったばかりでした。
税金について疎く、確定申告はしていましたが控除を漏らして多めに税金を払ってしまったりしたこともありました。
きっかけとなったのは健康保険の任意継続(2年間)が切れて、国民健康保険料・国民年金に加入することでした。
国民健康保険には扶養の概念が無いとのことで、全員分払うことになり、当然の如く世帯負担上限に達することになります。
介護保険の負担開始も近付いていて、年146万の社会保険料をどうにか出来ないか調べたところ「マイクロ法人スキーム」が良いという結論に達しました。
法人を作って、役員報酬を出す届出をしたら社会保険料節約は始められましたが格好が付きません。
そこで手間を取られず、安定した収益が得られる不動産投資を始めることにしました。
そんな事情で1棟目は法人で購入することに決まりました。
物件を毎日検索して、相場感は養われていきましたが、ちょっといいなと思っても不安で、物件見学やヒアリングに行くまでには時間がかかりました。
失敗パターンを対策する
投資の原則「損をしないこと」を意識しました。
不動産投資で損をするとはどういうことか考えてみると、「最後売れなくて困る」「借り手が付かなくて困る」「毎月赤字で困る」のどれかだろうと思いました。
1.売りたいと思ったら残債以上ですぐに売れて、2.賃貸需要が十分ありそうで、3.キャッシュフローが出る、という基準で物件を探しました。
1.は立地と接道、整形地である所を狙い、相場以上の価格(低利回り)でないことを確認することで。
2.は近隣3社以上ヒアリングするというマイルールを厳守することで。
3.はシミュレーションをすることで対策していきました。
沢山シミュレーションをする
シミュレーションはとても重要です。正確に出来るようになるために本も沢山読んで勉強しました。
税金や運営に関わる費用を漏れなく出せるようになっていきました。
シミュレーション上では価格を自由に変更(指値が通った前提w)出来たり、融資条件を自由に都合よく変更することも出来るので、売主や銀行との交渉の目安も知ることが出来るようになります。
現実的ではない交渉をしても破談になったり面倒な客と嫌われることにもなりかねないので、買ってもいいと思える価格との乖離が1000万円以下なら「交渉の余地あり」として動いてみよう。といった基準も作りました。
物件条件を明確化する
シミュレーションを繰り返して、物件見学、ヒアリングに行くようになると、このあたりの場所でこの間取りで利回りがこの程度で、融資がこういう条件で付けば良い物件になるぞ、という相場感が醸成されていきます。
何件か動いてみて、買ってもいいかも・・と思う物件に出会いましたが、不安に邪魔される経験もしました。
買って良いのだろうか?という不安は、初めての大きな買い物になれば誰にでも出てくると思います。
買主負担でインスペクションをさせてもらえないか?という申し出をして、「収益物件の売買で通常は行いませんよ」と仲介担当者さんに言われたりもしました。
それでも不安で問答している間に1番手を取られてしまい、2番手として手をあげましたが契約の機会が回ってくることはありませんでした。
この経験から即断即決が出来るような明確な条件を自分の中に持つことと、買いたいと思える物件の数を増やすために探すエリアを広げて開拓することにしました。
損をする覚悟
コロナ、ロシアウクライナ戦争を経て物件価格が上がってきたタイミングだったので、損をしないことを考えていたら買えないなと思えてきました。
前述のように損をするのは売れない、貸せない、CFが出ないのどれかに当てはまりますが、それぞれ想定される損はどの程度までか、自分の状況ならどう耐えられるかを求めるように考えを変えました。
土地実勢価格は「売って手仕舞いできる最低保証金額」になりますし、火災保険等で災害リスクには耐えられます。
修繕に必要なまとまったお金を持っていればどうということはないし、空室リスクは部屋数が多ければ低くなる。
本業収入でゆとりがあればCFが暫く出ない状況があっても問題ない。(何なら自己資金を増やすと返済が減りCFが出るようになる)
苦難があっても耐えながら残債を減らしていけばどうにかなる。
銀行もよく調査してくれるはずで融資額分の価値は硬い物件だろうから自己資金を捨てて大丈夫であれば問題ないだろう。
そんな思考回路で「買える体質」を作っていたように思います。
最後は納得感
シミュレーションを綿密に立てて、物件調査も可能な限りして、損を覚悟して、良さげな物件に巡り会えた時、最後決め手になるのは「納得感」です。
頭金、諸経費を含む自己資金を出して、多額の負債を負ってでもこの物件のオーナーになりたいか。
不動産と入居者に対して責任を持ちたいか。
この不動産のためにこの街、この土地に来る事になるのが嬉しいか。
頭で理解した上で、気持ちが納得してこそ購入に踏み切れます。
「気持ち」のためには直感も結構大事だったりします。
3年経った今でも物件を見に行って、周辺の散策までして帰ってくるのは楽しいので、この買い物は間違いではなかったと思っています。
運よくCFも出ていますが、お金の方が寧ろ「おまけ」という感覚です。
管理会社を始めとする業者の方々との出会い、大家仲間との出会い、不動産や税務、お金についての知識こそ、1棟目を買うことでしか得られなかった財産だと思っています。
一棟目購入の助けになれば幸いです。