Kanchanです。
サイドFIRE生活をしている医師です。
医師=高給取り=FIRE向きと考える人もいると思います。
結論は、半分正解、半分不正解だと思います。
理由を解説していきます。
FIREに興味がある人
医師を目指している人・目指そうか迷っている人
医師のお財布事情に興味がある人
医師はFIREしやすい職業かどうか
結論:FIREしやすい。ただし条件付きで。
FIRE出来るかどうか、成否を左右する一番の指標は「貯蓄率」
高年収であるだけでも、低支出であるだけでも不十分なのです。
現状の日本で医師免許を持っていれば、高所得を選ぶことが出来ます。
高所得を得たらあとは支出を抑えるだけという点で有利にはなります。
但し、いくつかの前提があります。
条件1 浪費しない自制心があること
医師の仕事には責任とそれに付随するストレスがあります。
過労やストレスを受けると自制心が働きにくくなり、過食や衝動買いをしやすくなります。
ストレスの発散に浪費に走る医師は珍しくありません。
周囲にいる金使いの派手な医師の影響を受けてはいけません。
医師を「特別扱い」でもてなし、割高なサービスを売り込んでくる人達をブロックしなくてはなりません。
新築住宅とか高家賃マンションとかを「収入あるから良いんじゃない?」と勧める周囲の声に耳を貸してはいけません。
所得水準よりはるかに低い生活費で暮らせることが、FIREへの切符になります。
条件2 国公立医学部を卒業すること
「学位のコスパ」を測るPOT(Pay over tuition)スコア=(年収プラス分/総学費)という概念で考えてみます。
FIREのための職選びにおいて重要な概念です。
具体的に計算してみましょう。
勤務医の平均年収は約1200万円です。
日本の年収中央値400万と比較すると約800万円のプラスです。
これが医師免許の「年間リターン」ということになります。
医師免許を得るためにかかるコストは、6年制の医学部の学費です。
平均的な国公立大医学部の総学費は350万円です。
稼ぎ始めることが出来るのが他大学と比較して2年遅れることを考えても、国公立医学部であれば
POTスコア=2.28は優秀な数字です。
これが私立大医学部となると、暗転します。
大学によって差がありますが、6年間の総学費は1900万円~4700万円となっています。
(参考:河合塾 医進塾HP)
私立ではPOTスコア=0.17~0.42
実家の医院を継ぐことになれば・・・とか、「医師免許プレミアム」が強化される背景が無ければ割に合わない「教育投資」と言えます。
「FIREするために医師になることが肯定できるか」という文脈で言えば、国公立医学部を卒業する必要があると考えます。
条件3 勉強が苦痛でなければ
勤務医の平均年収1200万円は、「キャリアを通して勉強し、病院に求められる医師になれたら」という前提があります。
医師になるという人生は勉強の連続です。
医学部入試の受験勉強
医学部での医学の勉強、医師国家試験の勉強
研修医になったら医師の基本技能の勉強
専門医になるための勉強
1200万円というのは医学部入学前から合計15年近く勉強を続けて(早くて)30代になった医師の平均的な年収です。
キャリアの最初から得られるものではありません。
自由診療に早くから進めば収入アップを多少前倒し出来るかもしれませんが、求められるスキルを得るための勉強はやはり欠かせないでしょう。
30歳前にFIREしたい人、勉強が好きではない人にとって医師は辞めておいた方が良い選択と言えます。
まとめ
という訳で、国公立大医学部を卒業出来るだけの学力があり、勉強が苦痛でなく、貯蓄を続けられる人であれば、医師になってFIREを目指すことは理にかなっていると思います。
医師は蓄財が苦手なことが多いという話もあるので、FIREを何より優先させるなら他の職業選択(自営業、起業家など)の方がいいかもしれません。
金銭面を考慮しなければ、
- 感謝される
- 尊敬される
- 人としての成長が促される
- 命を救う現場に立ち会える
等、やり甲斐を感じやすいところは沢山あります。
自分の価値観に医師が合いそうなら是非目指して欲しいと思います。
参考になりましたら幸いです。