こんにちは、Kanchanです。
サイドFIRE生活をしている医師です。
これを見て下さったあなたはお金持ちになりたいと思いますか?
お金持ちについて調べた名著「となりの億万長者」の中に、
高額所得者で、蓄財が下手な人種の代表格として医師が取り上げられていました。
となりの億万長者は米国の億万長者についてアンケート調査を行ってまとめた著書ですが、
日本の医師でも当てはまりそうな内容だと思いましたので紹介します。
こんな方におすすめの記事です。
- なかなか貯金が貯まらない医師
- 医師の給料、資産について知りたい人
- 資産を作りたいと思っている人
期待資産額について
蓄財が出来ているかどうかを判断する基準は何だと思いますか?
貯金額、資産額が知れても、収入や年齢が違えばその数字がどういう意味なのかは変わってくると思います。
「となりの億万長者」では、期待資産額を使って判断していました。
期待資産額 = 税引き前の世帯収入 × 年齢 ÷ 10 ー 遺産相続額
20代後半~60代前半では、精度が高いそうです(お試しあれ)。
著書では期待資産額の2倍以上の資産を持つ人を蓄財優等生、
期待資産額の1/2以下の資産を持つ人を蓄財劣等生と定義しています。
医師の平均年間所得額は14万ドル、平均世帯年収3.3万の4倍以上ということで高所得者層に入ります。
日本の勤務医の平均年収は約1200万円なので、為替の差はあれど同じような水準です。
米国では専門医の所得が一億近く行き、平均を押し上げるので高めに算出されますが中央値は同等と推測します。
医師においては蓄財優等生:蓄財劣等生の比は1:2で、散財しやすく資産形成は進まないことが多いということ。
高収入=お金持ちという訳ではないんですよね。
そして、資産形成が「預金口座残高を確認するだけ」という人は蓄財劣等生のレベルに留まっていると思います。
40歳年収1200万円の平均的な勤務医でシミュレーションしてみましょう。
期待資産額は4800万円になります。
年収1200万円の手取りは約940万円程。
研修期間にあたるキャリアの前半は5割~8割程度の年収になるでしょう。
研修医2年間も含めて専門医取得まで7年間の平均年収800万円とすると、手取り590万円。
その後8年間年収1200万円得られるとして、15年間の総手取り1億1650万円。
貯蓄率41%となりました。
貯金だけで達成するには、独身で蓄財を生き甲斐にしていない限り相当しんどい数字だと思います。
実際に計算してみて、半分くらいの「蓄財劣等生」レベルが普通かも・・・と思いました。
で、ここから医師が蓄財に向かない理由について畳みかけていきます・・・
医師がお金持ちが遠ざかる理由
理由1)高額所得者では、学歴と資産レベルは反比例する
高所得者(年収10万ドル以上)に限って言えば資産家の人は、学歴は低い傾向がありました。
高卒・大学中退などの起業家が蓄財しやすいというのもありますが、それだけではありません。
まず、医師はメディカルスクールに通学する分、資産形成に取り掛かるのが遅れるというシンプルな事実があります。
しかも学費は高額で、奨学金のような借金を抱えた状態でキャリアをスタートさせることが多いです。
さらに、資産管理について学ぶ機会がほぼ無く、資産運用について時間を使わない傾向があることも蓄財を妨げています。
資産管理をしなくても高給であるため生活は成り立ってしまい、「ちまちま節約するより働いて稼いだ方が早くね?」と散財に向かいやすいという話。
日本の医師も似たような状態ではないでしょうか。
理由2)世間体を気にした出費が嵩み易い
高学歴エリートの人全般に言えることですが、世間体を気にして良い住居、良い車、それに見合った高価な家財や洋服、というふうに生活コストが上がりやすいというのが二つ目の理由です。
「医師らしく」「金持ちらしく」いなければならないという呪縛、ホント怖いですね。
私も転職して給料が上がった時に、良いスーツを買ったり、高めの酒を買ったり、見栄を張る浪費をしたことがありました。
安くても機能面で劣らない商品と比較して、ブランド等の見栄に差額分を本当に使いたいか?
その金額分、奴隷期間を延長しても良いと思えるか?
価値観と向き合って真剣に考えて、自分の中で見栄に価値はそれほど高くない。
もっと大切なことがあると気付いて浪費を改めることが出来ました。
家でも車でも子供の学校でも家財でも装飾品でも、本当に対価に見合った消費なのか、本質が考えられていないと、いつまでもお金が貯まらない根深い原因になってしまいます。
理由3)利他的でお金の問題を避けたがる
日本では年収や資産について大っぴらに話すことは少ないですが、
「医師が高所得者であること」は自他共に何となく認める所だと思います。
そのため親から譲り受ける遺産が少ない傾向にあり、他の兄弟を金銭的に面倒を見て欲しいと親から言われることが多いそうです。
これは医師の蓄財にとってマイナス要因になり得ます。
そして、医師は人を助けたいというモチベーションが強いと思われます。
医師は慈善事業に携わることが多いことにも表れています。
「医師は聖職者で金に汚くあるべきではない」という固定観念にとらわれて、お金の問題を避ける人も中にはいます。
人を救うのは良いのですが、「経済的に」「自己を犠牲にして」他者貢献しようとするようになるとお金持ちは遠ざかります。
これが医師がお金持ちになりにくい理由の三つ目になります。
周囲に貧しい人が多い中で、自分だけ裕福になっていくのは悪いと感じてしまう「悪い協調性」を持ち合わせると、お金は逃げていくことになります。
「お金が全てではない」ということと、
「お金は大事である」ということは両立します。
他人のために行動したいということは美しいことですが、自ら経済的犠牲を払うかどうかは別の問題。
人を助けて幸せにした対価を受け取って貯め込んで、安心して働く土台を作ることは自分のためにも周囲のためにもなると私は思います。
自分を省みて
学歴、世間体
学歴はどうにもならないので仕方ないとして、、
世間体を気にした出費のところは、途中で気付いて大ダメージには至っていません。
知らずにした選択ですが、自宅を中古物件で選んで高いローンを組まないで済んだのはナイスでした。
新車を2台購入したのは、親の価値観を無意識に受け継いだのかなと思いますが、イケてなかったです。
ハイブリッド車にしたのもバッドチョイス。
エコカー減税とか、高燃費でガソリン代の節約をメーカーは謳い文句にしていますが、
ハイブリッドエンジンはかなり高価な「オプション」になってます。その差約35万円!
ガソリン代で元が取れるのは、レギュラー150円/Lで12万キロ走行する必要があります。
ドライブ三昧にできない多くの医師にとって、ハイブリッド車はコスパの合っていない買い物かもしれません。
2台とも大衆車にしていたのは不幸中の幸いで、家計ダメージは想定内に留まっています。
子供の学校は今のところ公立。
見栄を張った出費は、スーツくらいなものでした。
期待資産額=1500万×37÷10=5550万円に対して、5000万円。
家の買い方を間違えなければ、何とか挽回できるのかなと思いました。
利他的な傾向
利他的な傾向は私にもあります。
お人好しと言われることが多く、頼み事をされることが増えて、お断りすることばかりで嫌になることがありました。
よく頼んでくる人を見かけたら、話さないように近付くことすら避ける、みたいな。
「頼み事を断ると、ゼロになるだけ」というのは間違いです。
自分が人を助けられる人間だと思える自己効力感が損なわれ、
断ってしまった分埋め合わせしなくては気持ち悪いという返報性の原理が働きます。
そういう言外の気苦労から開放されたいと思ったのも常勤を辞めた数ある理由の一つでした。
ただ、お金を蔑ろにしたり、他人と比べて稼いだら悪いとか、聖職者は金儲けするべきではないとか、
歪んだマネースクリプト(お金に対する考え方)はあまりありませんでした。
他人は進んで助けたいと思いますが、しっかりとした自分あってのこと。
金銭面で自己を犠牲にする癖を持っていると、いつか破綻します。
お金に対しては几帳面に生きてきたことは、利他的な傾向を持ちつつ資産を守ることに役立ってくれたと思います。
まとめ
医師が蓄財に失敗しやすい理由を解説しました。
- 高学歴で学業に縛られる時間が長く、資産運用を学ぶ機会に乏しいこと。
- 世間体を気にした出費をしやすいこと。
- 利他的でお金の問題を避ける考え方を持ってしまいやすいこと。
- 遺産相続額が少なく、兄弟の金銭的な問題に関わる可能性があること。
これらに当てはまっていたら知らず知らずのうちに蓄財できない呪いにかかっていると言えるので、1つずつ訂正していきましょう。
自分もまだまだ家計を見直している最中です。
自由な人生を掴み取るために頑張っていきましょう。