kanchanです。
サイドFIRE生活をしている中年医師です。
FIREを目指すなら倹約こそが最重要だと思っています。
とは言え、お金はあると使いたくなるのが人情です。
収入が増えたり、臨時収入が入ったとき、財布のひもを締め直せるかどうかがFIREに近づけるかどうかの分かれ道になります。
今回、私が使っている節約のための心理テクニックを紹介します。
FIREを目指したいと思っている方は、参考にしてみて下さい。
節約心理テクニック
1.必要資産に換算する
4%で運用して、その買い物に必要な金額を満たすにはいくら必要か?と考えてみるテクニックです。
月々定額でかかってくるサブスクリプションの購入に迷ったときに有効になります。
月額3000円のサービスを資産所得で賄おうとすると必要な金額は、
3000円×12か月×25(4%を逆算)=90万円
90万円稼ぐだけではなく90万円貯めるのは、高所得者と言えど簡単ではないと思います。
貯めるのに必要な期間を想ってみても物欲は抑えられるんじゃないかと思います。
2.労働時間に換算する
数万円くらいのちょっと高額なものが欲しくなったときに有効なテクニックです。
何時間あるいは何日働かないと買えないものか考えてみると、その苦行に見合うものかという観点で考え直すことが出来ます。
ポイントは、額面ではなく手取りで換算すること。
年収900-1800万なら所得税33%かかるので1万円手元に入れるために15000円分(住民税・社会保険料を考えるともっと!)働かなくてはなりません。
3.同額で出来る体験を思い出す
まずレジャーで使った金額を付けておく必要があります。
水族館に家族で1日行って15000円
東京ディズニーランドに家族で1日行って40000円
家族で1泊2日の温泉旅行をして100000円
というように指標があると、これを買うのとまた旅行を楽しむのとどちらがいいか?考えられます。
ちょっと良いな、位のものはこれだけで要らないと判断できることが多いです。
4.現金で支払う
人間の脳は現金を消費するときに、身体的な痛みを感じる部分と同じ領域が活性化することが知られています。
クレジットカードやキャッシュレス決済やワンクリック購入では、その「痛み」が少ないのです(!)
お金を使わせる側が作った発明なんですね。
キャッシュレスを推奨する流れに逆行することではありますが、敢えて現金を使う生活にしてみると、無駄な出費が減らせるかもしれません。
試験的に3か月くらい現金生活期間を作ってみていますが、-10%位の支出減となっています。
※ATMで手数料が発生したら苦労がパーになるので気を付けましょう。
5.キューとなるものを知る
衝動買いにはよくよく観察してみると、キュー(きっかけ)となるものや行動が結びついています。
「疲れた仕事帰りに」「帰り道にあるコンビニで」スイーツや酒を買ってしまう。
「映画館で映画を見るときは」ポップコーンドリンクセットに600円出してしまう。
食べ物の例ばかりですみません…
キューが把握出来たら、衝動買いを我慢しようと戦う前に、戦いを避ける戦略を取ることが可能です。
「疲れた日はコンビニの前を通らないで帰る」
「映画は当日衝動的に観に行かない」「前売り券+ドリンク&スナック持ち込みで観る」
キューを避ける、準備やルールを決めてキューに立ち向かうということですね。
6.金に色を付けない
心理的に会計が分かれていることが浪費の原因になりやすいことが知られています。
食費としては予算が決まっていても、
旅行中の外食(娯楽費)とか、
友人との会食(交際費)となると、
食費の予算を超えて消費してしまうのは普通のことだと思います。
収入についても同じことが言えて、ぽんと入ってきたあぶく銭は無駄遣いしやすくなっています。
そういう罠があることを知っておくこと自体が対策になると思います。
どの1万円も価値は1万円。無駄に使っていいお金は1円もありません。
7.おとり効果に注意
複数の選択肢があり、明らかに有利な選択肢のペアが用意されていることがあります。
よく取り上げられる例として、エコノミストの定期購読に使われた選択肢があります。
①ウェブ版のみ 59ドル
②印刷版のみ 125ドル
③印刷版とウェブ版のセット 125ドル
予想通り不合理 著:ダン・アリエリー
③のセットを選ぶ人が圧倒的に多い結果でした。(①16%、②0%、③84%)
②が③より明らかに劣った「おとり選択肢」になっていて、
③を選べば、②より正しい選択ができている。という自信が生まれます。
そうして、③を安心して選ばされる結果になるわけです。
①と比較して、「印刷版追加に66ドル支払う価値があるのか?」が考えられていれば正しい選択が出来ますね。
某ファーストフード店で、「ドリンクS, M, Lとも100円」なんてキャンペーンも見かけたことがありますが、
この場合はS, Mが「おとり」になっています。
そもそもドリンクをその店で買う必要があるのか?選択肢の外に思考をめぐらせる癖を身に付けることが大切かなと思います。
おとり効果は強力な効果ですので、おとり効果にハマってそもそも必要ないものを買わされていないか、意識しておくのが大切です。
8.「スノーボールの一片」
「スノーボール」というのは、伝説の投資家ウォーレン・バフェットの自伝のタイトルです。
資産やビジネスや人間関係を転がして大きくしていく程、豊かになるということを雪玉に喩えていて、
早い段階で始めることが大きく育てるコツであると本人に語られています。
ウォーレンバフェットは子供が出来て初めて一軒家を31500ドルで購入した時に、500000ドル運用していました。
それでも彼は、家のことを”バフェットの愚行”と名付けました。
31500ドルは10年後の100万ドル、それだけの金額を家に費やしてしまったと思ったそうです。
倹約家で知られるバフェット氏の、これは将来の大金の種銭になるお金かもしれないと考える「スノーボールの一片」という考え方は見習うべきだと思います。
9.衝動買い禁止ルール
買いたいと思ったら、買いたいものリストに付けることにしています。
そして前日までに買いたいものリストに載っていない物は買ってはいけないというルールを守るようにしています。
衝動的な物欲は長くても3日しかもたないので、無駄な物欲かどうかはそれだけで判定出来ます。
これで私は買い物に後悔することが大分減ったと思います。
10.未来は今日の繰り返し
明日になったら節約すればいい、と思っている人に効果がある思考法です。
循環型思考とも言います。
「今日節約出来なければ、明日も、明後日も、1年後もずっと節約出来ない」と考えるようにすると、
今日これからしようとしている買い物が重いことになってくるでしょう。
この考え方も物欲コントロールに効果のあるテクニックです。
固定費削減には敵わない
10のテクニックのうち、自分で使えそうなものはありましたか?
いずれも普段の支出をコントロールするための心理的なテクニックで、私自身が使ってみて効果が実感できたものです。
誘惑に駆られたとき打ち克つためのテクニックや、誘惑を回避するテクニックになっていますが、誘惑との戦いに力を入れるよりも楽で効果的な節約方法があります。
それが固定費の削減です。
家であったり、自動車であったり、保険であったり、通信料であったり、毎月のように固定でかかってくる費用を調べて安くしていくと、その後何にも考えなくても節約効果は永続的です。
節約を考えるとき、まずは固定費の削減と支出の把握。
それから、倹約を意識した消費行動をするという順番が効率的だろうと思います。