読書

【読書感想】人に頼む技術

著:ハイディ・グラント・ハルバーソン

コミュニケーション改善のための勉強の一環で購入した本です。

研究者の本の中でも分かりやすく、とても読みやすい本でした。

上手に物を頼める人になりたいという欲求の他に、間違った頼み方をしているがためにすれ違っている残念なケースを客観的に見て、介入できるようになりたい思ったのが購入した動機です。

刺さった言葉を引用して、まとめて感想を書いていきたいと思います。

誰かを助けることで良い気分になるには、自ら望んで支援の手を差し伸べているという、”主体性の感覚”が不可欠なのです。

私たちは職場や私生活で、無意識に自分を絶えず周りと比べています(研究によって、私たちは自分よりも劣る人を意図的に選んで比較することで、頻繁に自分にステータスの報酬を与えていることがわかっています。心理学手は、これを「下方社会的比較」と呼びます)。

誰かに助けを求めるのは難しい。不器用でぎこちない、遠慮がちな頼み方は裏目に出やすく、相手に助けてもらえる可能性を低くしてしまう。つまり助けを求めることに消極的だと、必要な支援を得られなくなる。

一度「ノー」といった人に別の機会に頼みごとをした時、助けてくれる確率は、低くなるのではなく、高くなるのです。

誰かを助けることは、悲しみだけではなく、”罪悪感”に対しても解毒剤として作用します。

助けを求めることで、相手に良くない印象を持たれたり、能力がない人間だと見られたりしないかと躊躇してしまいがちになる。だが研究によれば、人は、助けた相手にそれまでよりも強い好意を抱くようになることがわかっている。

「返報性の原理」によって持ちつ持たれつの関係で全員が気持ちよく助け合える。だが、誰かに助けられる時ですら、コントロールされているという感覚は生じ得る。

助けを求めているのかどうか分からない、ある状況についてあいまいなことしか分からないとき、人は自分のことに意識を向けようとするのです。あなたが利己的で不親切な人だからではありません。

逆に言えば、あなた自身が助けや支援を必要としているとき、自分が思っているよりもはるかに周りにはそれが伝わっていないということです。

曖昧な状況を理解するために他人に目を向けるのは、理にかなっている場合もあれば、とてつもない判断ミスになる場合もあります。

相手が困っていないのに、助けが必要だと誤解してしまうことのリスクと、求められていないのに助けようとして嫌がられることへの不安は、どちらも誰かを助けようとする側にとって、大きな障壁になります。

助けの求め方

ステップ1 相手に気付かせる
障壁ー人は周りで起きていることすべてには注意を向けていない

ステップ2 助けを求めていると相手に確信させる
障壁ー人は他人の心を読めない

ステップ3 助ける側は責任を負わなければならない
障壁ーほかにもたくさん人がいるのに、なぜ自分が助けなければならない?

ステップ4 助ける人が、必要な助けを提供できる状態でなければならない
障壁ー相手にとって、自分のすべきことの妨げになる可能性がある

毎回ではないにせよ、私たちは少なくとも部分的には自分自身の利益や、助けることで自分がどんな気分になるかを計算しているのです。そして、それは良いことです。

誰かに助けを求めることが難しいのは、重要なのが”何を言い、何をすべきか”だけでなく、”何を言うべきでないか、何をすべきではないか”でもあるからです。

持ちつ持たれつの助け合いをしている人間なら、助けてもらうときに謝る必要はない

謝ると、同じグループにいるというアイデンティティが希薄になり、お互いのあいだに距離が生まれ一体感が損なわれます。

ダメな頼み方ー言い訳をする

「普段は誰かに助けを求めたりはしないんだ」「ほかに方法があったら、君にはお願いしなかったのだけど」「本当は頼みたくはないんだが」ーー

頼みごとをする側がことさらにそれ(助けるメリット)をアピールすると、頼まれた側は興ざめしてしまいます。まず、操作され、コントロールされているという感覚を抱きやすくなり、”助けてあげたい”という自主的な気持ちも失われてしまいます。

頼みごとを小さく見せかけることで、得られる助けも、助ける側と助けられる側が感じる温かい気持ちも小さくなってしまうのです。

頼み事を正しく相手に伝えるための三つの方法

相手に”コントロールされた感覚”を抱かせず、助けることの喜びを自然に感じてもらうような頼み方の方法は、三つあります。

「内集団」と呼ばれる仲間意識の感覚

「自尊心」

助ける側が「有効性」を把握できるようにすること

「やたらと謝る」「言い訳をする」「その頼み事は些細なものだとアピールする」「借りがあることを思い出させる」などは、頼む側が意図せずに頼まれる側の意欲を削いでしまう典型例だ。

助けを求めるときは、「仲間意識」「自尊心」「有効性」の三つの「人を動かす力」を用いて適切な頼み方をすること。

自分がどんな人間であるかを正確に知っておくことはとても重要です。最大の幸福と成功が得られる、自分に適した最善の判断が出来るようになるからです。

自尊心はアイデンティティの体温計のようなものです。

「この世の中で生きていくために必要なものを持っているか?プライベート、人間関係、仕事の面で、望むような生き方ができているか?」という問いに答えてくれるのです。

自分自身を肯定的に捉えたいという欲求は強いが、自分自身を正確に捉えたいという欲求はそれを上回る

自尊心が高い人は成功を自分の有能さに、失敗を状況のせいにする傾向があることがわかっています。

感謝の気持ちを示さないことほど良好な人間関係を台無しにするものはありません。

三歳児でも、「親切なことをしなさい」でなく、「親切な人になりなさい」といわれた時の方が、他の子供たちがブロックを片付けるのを助けるようになる

僕も人に頼み事をするのは苦手な性分でした。

誰かに迷惑をかけるくらいなら自分がやってしまった方が楽。

そう思う位には。

でも、この本を読んで、それは人間関係を築くチャンスを逃してしまっているなと思いました。

人は頼みごとを受け入れて、手助けした人のことを好きになる。

常識的には逆だと思う所ですが、研究結果というのだから信憑性があることなのでしょう。

勿論、人間そんな単純ではないので、きちんとフォロー出来て、どうなったかが分かり、心から感謝を伝える、無駄な言い訳や無駄な謝罪はしない、といった注意点が守られてこそのものでしょう。

また、助ける側になる場合は、Top Giverになるための5分ルールも組み合わせると良さそうだと思いました。

ノーといえずに頼まれごとに振り回されて悩んでいる人なんかに使える技。

誰かに頼みごとをされた時、
1.今すぐに取り掛かれること
2.それが5分以内で終わる負担感のものである
を満たすとき、手伝い、そうでなければ手伝わない。というルールです。

頼まれたら1つ頼み返すようにしてみるのも良いかもしれません。

プロジェクトを進めたりするときに大事になってくる「人に頼む技術」

何度か読み返しながら実践して「人たらし力」を向上させていきたいなと思った次第です。

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一般内科、消化器内科、救急、脳神経外科、大学病院、関連病院、民間病院。色々な医療現場を経験してきました。 医療×テクノロジーで未来を創造することが夢です。

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