SHIP

【イベント感想】Dialogue in the SHIP2020

昨日はSHIPのオンラインイベントでした。

Dialogue in the SHIP

深い対話を通じて、価値観と向き合うという、深イイ話。

昨年の同じイベントに参加して、SHIPを知り、オープンな雰囲気に惹かれ、入会することになった僕にとっては思い入れのあるイベントです。

気合を入れて、臨みました。

登壇する方々は皆、医師でありながら「普通の勤務医」とは違った活動をしていて、どういうきっかけがあったのか、モチベーションの源泉は何なのか、大切にしている想い等、話のテーマがまず参考になります。

そして哲学対話のように、その話を聞いて、自分の中に生まれる「内なる言葉」や価値観と向き合うことで、人生を見つめ直す濃密な時間になることが、やめられなくなる魅力ではないかと思います。

対話1

たべるをテーマにした対話からでした。

菅原さんは介護事業をしているぐるんとびー代表で、90台の誤嚥リスク高い利用者さんにラーメンを食べさせたと炎上したことで有名な方。中村先生はリハ職から医師に転向された療養病院に勤務する先生です。

菅原さんは、医師ではありませんが医療者や専門家よりもずっとフラットな目線で世間を見ていて、好感が持てると思いました。

炎上のクソリプこそ、終末期に管理社会になってしまう日本の閉そく感をよく表していると思います。

「死んでもいいから食べたい」という嚥下障害を抱える高齢者の希望を叶えるのは簡単なことではありません。

誤嚥、窒息したら、肺炎になったら責任が取れるのかという話がちらつくだけでも施設や病院としては、ガチガチに制限せざるを得なくなります。

自由には責任が伴います。

自己責任が取れなくなった人の自由をどう守るか。

結局のところ信頼関係がなければ難しいのかもしれません。

誰かを中心にするのではなく、関わる全員が「ほどほど幸せ」になるようにプランを組み立てるようにするという考え方が、いま社会に必要とされているんじゃないかと思いました。

また、この対談で印象に残ったのは、「ありがとう」と言われたら反省するようにしているという菅原さんの言葉でした。

感謝は中毒になる。言われる方は当たり前になり、言わせられた方は自尊心が少しずつ損なわれ、「いなくなるとやっていけない」依存状態に近づけさせてしまうかもしれない。

考えたこともなかった言葉でした。「ありがとう」と日常的に言われている医師としても、ちょっと考えないといけないなと思いました。

対話2

医師起業家ではそこそこ有名なお二人の対談。

甲乙つけがたい対談ばかりでしたが、一番楽しみだったかもしれません。

事業を始める具体的な方法などではなく、起業に至ったきっかけやモチベーション、苦労した話が赤裸々に語られました。

お二人とも医師なので、臨床の現場や知人との関わりの中で課題に直面し、解決に向けて起業するに至った話ですが、

最初の一歩はエンジニアのつてを探して、メッセージを沢山送ったり、一人で出来ないことをするための地味なステップからということを聞いて、「彼らは特別な人だから」と諦めなくていいのかなと思いました。

挑戦の大事さ、やらないことにも後悔・リスクはある、失敗しても意外と大したことない。

失敗経験も語って下さって、挑戦を促す内容の話でしたが、一番思ったのは人間的に魅力的で、助けたくなる人柄を持っているということ。

1人で完結しない仕事をする上で、仲間を作れる「魅力」や、仲間を純粋に大事にするところ、信用力が実は大事な成功要因なんじゃないかと感じずにはいられませんでした。

対話3

開業医のお二人の対話。

東京の中心と、三重県の田舎で、救急医療に近い開業をされている先生方のお話です。

救急医療の中で感じた課題をモチベーションにしているという点では、自分との心理的距離は近いと思いました。

ただ、開業といってもクリニックで待っている「普通の」先生ではないから対談に呼ばれていることもあり、地域の中心人物に会いに行ったり、イベントに参加してリテラシーを高める活動をしていたり、現場に対する意識の高さは見習いたいところだと思いました。

対話4

最後は我らが石井団長と、厚労省時代接点のあった医系技官の「エース」松本先生の対談。

いま娘のブームになっている小島よしお似ということで笑いw

「世の中を良くしたい」というモチベーションを自然に身に付けて、実践している聖人のような先生で、ハーバードへの留学経験があったり、良い方向に変えようとしたことが仇となって強い反発を受けた経験、身に付けた交渉力、「人に頼んで自分でやらないこと」など地味でありながら大切な仕事の話が聞けました。

つらぬくというテーマ。

一貫した価値観、方向性を軸に人生を語り、意味付けることは、迷いをなくし、ストレスを軽減する役に立ちます。

4時間に及ぶ対談で疲れて来たこともあり、この対談のあたりから自分の価値観と向き合う時間になってきました。

この記事でも書いたりした、キャリア観について、あるいは価値観・自己省察について(一番読まれている記事だったりします)ですね。

自分の中では、「成長」が一番大事な価値観であることは変わりないのですが、何において成長したいのかは微妙に変動があるなと思いました。

医師としての能力、手技や技術的なこと、専門知識、人間関係力というように移り変わっていったなと思い出しながらしみじみと聞いていました。

イベントの設営を手伝ったり、終わってからの打ち上げまで参加できればもっと深められるのだろうなと思うと残念な気もしましたが、今回も濃密な素晴らしい時間を共有できました。

いつか登壇する側に回れたらいいなと思うイベントです。

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kanchan
一般内科、消化器内科、救急、脳神経外科、大学病院、関連病院、民間病院。色々な医療現場を経験してきました。 医療×テクノロジーで未来を創造することが夢です。

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