読書

【読書感想】HELPING CHILDREN 私たちは子供に何ができるのか

著:ポール・タフ 訳:高山真由美

子供は身近な大人の注意を惹きたいと思う生き物だ。

両親が家の中で2人話していたらその求心力は最強。30分以内に100%子供はどちらか寄ってきて、最終的に子ども全員集まってしまう(うちの話、女児6歳、4歳)。

勉強や読書したいと思っているときには邪魔になり、集中力の敵となってしまう。

僕は喫茶店や図書館に一人出掛けたりしてそれを回避する。

鍵付きの部屋に引きこもったり、ノイキャンのイヤホンをしたりする。

やるべきことを集中してやる一定時間だけであれば、それ以外の時間子供と十分に関わることも出来るから良い。

しかし、人間そう上手くは出来ていない。

集中し切れていない時間が一日中になり、やるべきことも終わらず、焦りだけが募って、一日中子供の方を向いて話すことがない。というような日も時には出てきてしまう

僕の場合、当直明けとか、職場で嫌な事があった日には「受動ストレス」の存在を意識していても家族・子供に理不尽に当たってしまうことがあった。

それって、子供の成長にとって凄く有害な事なのではないか

ふと、そんな不安が胸の中に現れてきた。

子供の育て方に関するエビデンスベースのこの著書を見つけて、読んでみることにした。

普段読まない分野の話だったので、ちょっと入っていきにくい内容だったが、納得のできる話ばかりだった。

大雑把に要約してしまうと、僕たち親が子供に出来ることは、「金を稼いで貧困を感じさせないこと」と「子供を気にかけること」だと思った。

幼少期の子供との接し方を誤ると、マイナスの影響はかなり大きくなる。

そのマイナスを回避してあげること。

そして、安心できる拠り所であり続けてあげること。

結果として、子供たち本人にやりたいこと、得意なこと、好きなことを伸ばしてあげるのが最良の子育てになってくるんじゃないかなと感じた。

非認知スキル/ソフトスキル:粘り強さ、誠実さ、自制心、楽観主義

低所得層の子供たちの成果を改善するためには、こうした気質が決定的に重要になる

HELPING CHILDREN 私たちは子供に何ができるのか

幼い時期に慢性的なストレスを受けた子供は、失望や怒りへの反応を抑えることに困難を覚えるようになる。

HELPING CHILDREN 私たちは子供に何ができるのか

家庭内で口論が頻繁に起こると答えた母親の子供の場合、fMRIの画像上で、感情、ストレス反応、自制に関わる脳の部位にはっきりとした反応が示された。

HELPING CHILDREN 私たちは子供に何ができるのか

子供の人生に大きな変化をもたらしたのは栄養の補助ではなく、もっと子供と遊ぶようにという親への指導だった。

HELPING CHILDREN 私たちは子供に何ができるのか

生まれて最初の12カ月のうちに温かく気配りの行き届いた子育てを経験した子供は、多くが親と強い結びつきを形成する。これを「アタッチメント」という。

安定したアタッチメントによって子供の心に安心感と自信が深く根づく。

「心の安全基地」ができる。これがあると、成長した時に自力で思い切って世の中の探検へと乗り出していけるようになる。そうした自信と自立は現実の世界で役に立つ。

HELPING CHILDREN 私たちは子供に何ができるのか

やはりと思ったことだが、育て方によるマイナスの影響は子供が幼い時ほど出やすいという。生後間もない子供の無意識に刻み込まれると思うと、少し怖くなった。

僕は子供たちが赤ちゃんの時、ちゃんと接することが出来ていたのだろうか?

特にめちゃめちゃ大変になった2人目のとき。出来ていたのか心配だ。

今更かもしれないけど、子供と遊ぶ時間を作ろうかなと思った

僕の子供はまだ小さい未就学児だ。

だから、未就学児までで出来ることを中心に探して読んでいた。

この本では、「貧困層の生徒が、将来の学歴、犯罪、収入等のディスアドバンテージを免れるにはどうしたらいいか」というテーマで様々な取り組み、研究がなされた結果も紹介されていたが、残念ながら我が身として読むことが出来なかった。

貧困ではないだろうと自負していることと、まだ先の話で自分事として考えられなかったためだ。

今後のことで言うと、学校の成績に関して、どう扱おうか迷っている。

学校のテストや成績の高評価に対してお小遣いをあげるというインセンティブは外発的動機づけと言い、一時的な効果はあるものの、根本的なモチベーションは下げてしまうことが懸念されているからだ。

幼児でも元々好きなお絵かきを、おやつ等対価を支払うようにすると、お絵かきは「仕事」になってしまい、その後対価が支払われなくなると自発的に描くことを減らしてしまうという研究結果がある。

そもそもとして、障害において学校の成績、学歴の重要性が今後も担保され続けるか不透明でもある。

ある程度(1000万円程度)の年収との相関があるくらいなのかな。

モチベーションの維持、向上という分野は大人である自分のこととして考えてみても、難しいものだ。未熟な他人である子供のモチベーションを操るのは容易でないことは想像に難くない。

生徒が自律性、有能感、関係性を実感できる教室環境は、内発的動機づけを育てるだけでなく、あまり面白くない学習作業も進んでやる気にさせるものだ

HELPING CHILDREN 私たちは子供に何ができるのか

モチベーション=内発的動機づけをアップするカギは「自律性」「有能感」「関係性」の3要素が揃っていること。

この事実は目からうろこだった。

考えてみれば、自分も自発的にやりたいと思えて、情熱が続くことは、誰かと関係性が続くきっかけになり、成長が実感できたり自己効力感が養えるもので、人から強制されていないものであることが殆どだ。

教育について考え直すきっかけをくれる良い本だった。

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一般内科、消化器内科、救急、脳神経外科、大学病院、関連病院、民間病院。色々な医療現場を経験してきました。 医療×テクノロジーで未来を創造することが夢です。

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