仕事

勤務医 退職を意識してからの変化

退職したいと申し出てから2週間。

自分の身の回りに起きた事をまとめてみました。

まず現状について整理しておきます。

現状について

2次救急病院の消化器内科勤務医

科としては3人体制、僕は一番下っ端です。

消化管のトップ(医長)がいて、肝臓のトップ(部長)がいて、全般対応する自分(医員)という感じ。

医局に属している訳でもなく、これまでの経歴、業績なんかもまちまち。面白いチームになるのかなと思って2年前に加わりました。

消化器内科として立ち上がって4年と、若いチームでもあります。

トップは我が強いのは、世の理です。

しかし、強い我を発揮する為には、1人医長、1人部長ではいられません。

部長だろうがヒラだろうが、院長に雇われた身であることには変わりなく、降りかかる仕事をこなす事しか出来ません。仕事を割り振る、依頼するという事が出来ないのでは、役職の有無では本質的に変わらないわけです。給料が多少違う以外は。

そこに入った僕は、格好の雑用係になりました。

ストレスのかかる急患の対応や、外来の手伝い、微妙な患者の担当、症例データベースの作成など、やりたがらない仕事を率先してやるようになりました。

専門医になって年数が浅いので、こういうやり方の所もあるのかと、新鮮さと学びがあり、「チームの生産性を高める為には、トップを気分良くさせてあげるのが大事だ」という理論を試してみたかもあったので、診療も学会活動も活発に楽しく出来ていました。

そこまでは良かったのですが・・・

モチベーションを下げる転機になったのは、病院の都合を押し付けられるようになった事、消化器内科の将来構想に僕は居ないと聞いた事でした。

病院の都合

医師不足は話題となっていますが、医師の遍在についても同様に議論されています。

地域格差、診療科の格差、時間帯での格差。

時間帯での格差、ストレートに言えば「当直など時間外働いてくれる医師が少なくて、勤務表が組めない問題」がどこの病院でも程度の差こそあれ、存在していると思います。

そこに、当直をする契約で入った僕も巻き込まれた話です。

当直だけでなく、早番、遅番など、非常勤当直の先生が来る前後の「繋ぎ」も常勤医師の仕事になります。特に下っ端の。

そこに沢山入ってくれていた内科の先生の退職があり、当直に加えて別の日の早番、遅番にも入るようになりました。

さらに、緊急内視鏡のオンコールが、内視鏡可能な外科の先生の退職により増えることになりました。

こうして一ヶ月の半分以上、時間外仕事もしながらフルタイムで働いている状態に。

無理が出来るのは、期間限定だと思います。

トップダウンで、「無理」と言っても、「人がいないから」と改善されない状態が続き、これは辞め時と確信しました。

自分の感情

同時期に将来、消化器内視鏡2人、肝臓2人の専門医4人体制に補強して、消化器内科を作っていきたいという話を耳にしました。

時間外要員は足りていないから、続けていればそれなりの給料を出してはくれるのでしょうが、うつ病等の病気になり続けられなくなったら、生活を保障し続けてくれる仕組みはない

医療訴訟になったとしたら、きちんと守って対応してくれるのかも不透明

病院への信頼が薄くなると、モチベーションは下がります

無理して続けて病気になってしまうリスクも踏まえれば、フリーランスと仕事の安定性においてさほど変わらないと思い至るのに時間はかかりませんでした。

オンコールや当直明けのため制限される外出先も、働き方を変えれば自由に出来る。

寧ろ時給は上げられる。労働時間あたりの手取り(NIPW)は更に上げられる

自分のビジネスを始めたいとも思い、病院勤務から離れることにしました。

退職を意識してからの変化

関心が院内に向いていると、院長の顔色やら、噂話やら、院内の行事、勤務表などに気を取られて、脳のリソースを消費することになっていました。

退職を意識してからは、病院の中では気にしてこなかった世の中のビジネスの仕組み、稼ぎ方、生活の知恵、他業種の人との繋がりについて情報のアンテナを立てるようになりました。

新しい仕事、新しい自分を作っていく為にいくつか始めたこともあります。

情報収集、SNS、ブログ発信、読書もそうですが、「体は資本」ということで健康づくりを始めました。

運動習慣の第一歩として、HIITを始めました。

最初はスクワット30回のスモールステップで始めて、物足りなくなったころから、汗をかくので入浴前に4分間、20秒ー10秒のインターバルでバーピーをするようにしました。

最初は簡単に筋肉痛になり、自己満足感も得られるので始めやすいです。

2ヶ月くらい続けていると、やっていない事に「気持ち悪さ」を感じるようになり、習慣化成功です。

自然の多い公園に行って、散歩するようにもなりました。気持ちのいい贅沢な時間です。

運動の副次的な効果として、間食や食べ過ぎることが減りました。

野菜を多めに食べることと、食欲を抑制する為に蛋白質を多めに食べることと、間食するならナッツ類にすること、この辺りのちょっとした意識で体重は2kgくらい減りました。

毎日瞑想することと、日記を書いてストレス発散することも始めました。

沢山の習慣をいっぺんに始められたのは、Apple Watchを付けるようになった事も大きいでしょう。

リマインダーやTODOリストを作って「見える化」して日常生活に組み込んだことで忘れないようにでき、習慣化の大きな助けになりました。

習慣や思考が変わってくると、病院内の些細ないざこざや社内政治や扱われ方などにとらわれ過ぎなくなり、閉塞感はなくなり、幸福度はアップしました。

これまで関わってきた様々な病院とその関係者の方々には感謝しています。

これまでと違った形で貢献できればと考えています。

周囲の変化

医師は副業が通常OKであり、研究日や休日にバイトを普段から入れている人は珍しくありません。

しかも、副業の収入が1万円/時間が相場で、それだけで生活できるくらいの収入が確保できています。

転職する力は殆どの医師が持っている今の状況では、すぐに転職していく人は珍しくありません。

病院側も医師に退職されることには慣れているようで、退職を申し出てからの反応も「あ、そう」という感じであっけないものでした。

引き止められることも、「いつ戻ってきてもいいぞ」みたいなものもありません。

あまり迷惑が掛からないのであれば気兼ねなく辞められる。

寂しさを感じる段階にはないので、楽なものでした。

退職が決まった中での仕事内容には注意が必要です。

悪性疾患など、ある程度の期間、最期まで付き合わないと役目を果たせないような患者さんの担当は控えることになります。

外来の引継ぎを誰にお願いするか、一人ひとりの患者さんで相談することになります。

個人的にはそれが一番しんどい仕事なのかなと思います。

最後まで付き合ってあげることができなくて申し訳ない。といつも思います。

沢山の別れをバネにして、次のステージでのいい出会いに繋げたい。そう思います。

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kanchan
一般内科、消化器内科、救急、脳神経外科、大学病院、関連病院、民間病院。色々な医療現場を経験してきました。 医療×テクノロジーで未来を創造することが夢です。

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