情報が誰でも手に入るようになり、情報を持っていることが有利では必ずしもなくなってきた。
医療の世界でも、疾患、治療に関する知識は誰でも手に入るようになってきて、標準的な治療をしない病院・診療所は淘汰され、標準的な治療が出来る病院の中で、誰の治療が受けたいかという個別化が重要になってくると思う。
リテラシーの高い人が人口の大半を占めるようになる頃には、日本の人口も減ってきて、医師不足も充足して、差別化・個別化が出来る所が生き残り、集約されていくのかもしれない。
個別化の方法は学会の地位や業績、地域での診療の実績からくるブランディングがこれまでは主流で、それ以外にはなかった。
だから努力と根性で続けていれば、それで良かった。それなりの成果になっていた。
「待ち時間」「診察の満足度」「治療を受けた結果」「安心感」
価格等が保険で決められている以上、差別化できる要素は限られている。
効率的に回すことで、待たなくていいように特化させる戦略
患者向け動画教材を駆使して疾患別、個別に分かりやすい指導を提供する戦略
メールや電話やSNSなどでのアフターケアを充実させリピーターを獲得する戦略
色々考えられるし、いくつかは実装され始めているかもしれない。
しかし、現場にそういった「一歩進んだサービス」を考える余裕はどこにもないと思う。
総合病院などは、患者を集める努力をするまでもなく、日々患者が行列をなしており、「回す」のに精いっぱいだ。
勿体ないと思う。
時間をかけてみるまでもないような人を逆紹介したり、オンライン診療、処方箋宅配サービスなど、医療を便利に効率よくすることで、時間や手間をかける必要のある人にリソースを集中させて救命率を上げるべきだと思う。
フリーに動ける医師が増えてきたら、専門、所在地、経験年数など個々のデータと患者の症状、希望などのデータをマッチングさせて、医師―患者関係を繋げるサービスなんかあると面白いと思う。
