健康

夜間救急外来

先日の当直では、深夜に救急外来に駆け込む軽症患者が多かったせいで、あまり眠れず、翌日の通常勤務も大変になってしまいました。

救急外来を利用する患者さんのニーズ、主訴は「不安である」と「つらい症状がある」に大きく分けられると思います。

歩けるレベルの患者さんは、翌朝の受診で問題ない場合が大半だったりします。

救急受診について思うこと

救急外来は重症患者が利用すべきであると思います。

しかし、軽症か重症かを素人である患者さんが判断するのは難しいのも事実です。#7119のような救急要請、救急受診しようか迷ったときに使えるシステムを周知することが改善のための第一になるのかなというのが解決策の一つ。

また、別の視点では、夜間診療メインの日中働いている人のためのクリニックや、救急車を受け入れてくれるクリニックもあり、ニーズが拾い上げられれば供給が追い付いていない救急需要を食って成功できるビジネスモデルになるんじゃないかと思いました。

救急要請の目安

バイタルサイン(意識、体温、血圧、脈拍、呼吸数、SpO2)の1つ以上の異常をもって拾い上げれば、明らかに救急車でなくていいような軽症患者を除外できるのではないかと思います。

一刻を争う心筋梗塞、脳梗塞、大動脈解離、くも膜下出血、急性腹症は時間を問わず診てもらうべきだと思います。胸痛、麻痺、意識障害、背部痛、腹部の激痛といった症状が典型的です。

しかし、非典型的な発症様式の患者さんもこれまでいくつも見てきました。

  • 一過性意識消失で発症した急性大動脈解離
  • 腰痛で発症した心筋梗塞
  • せん妄で発症した脳梗塞
  • 発熱で気付かれたクモ膜下出血

「急がなくていい」と判断されたが、後から重篤な疾患と判明し、命を落とすようなことがあっては問題になります。そのため、急がなくていいと言うのは多大な責任を伴うことであり、「何かあったら病院へ」となるのでしょう。

それでも受診するとき―知っておいてほしいこと―

深夜、救急病院に受診をすると、対応してくれるのはきっとさっきまで寝ていた当直医で、判断力は日中より低下している中で、とりあえず明朝までの処方・指示がもらえるだけであるということ。

サービスの質とか態度とか期待して、思い通りでなかったとしても怒らないであげて下さい。その医師は高い確率で翌日も通常勤務で、注意力、体力を削られているのですから。

人の命を預かる医師の勤務体制が現代においてもそんな状態で放置されているのが良いのかどうかという話もありますが、また別の問題。

働き方改革関連法案の例外として、医師の残業時間(労働時間ではありません!)は月160時間、年1920時間まで容認するという案まであります。

継続可能な医療のために

医療財政が今後厳しくなってくると、米国のように救急車有料化(5万円前後/回)になり、受診抑制となり、助からない人が出てきてしまう可能性があります。

限られた医療資源を有効活用するためにも、救急車を呼ぶかどうか迷うような場面に遭遇したら#7119への相談を!
総務省消防庁HP

photo by James Palinsad

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kanchan
一般内科、消化器内科、救急、脳神経外科、大学病院、関連病院、民間病院。色々な医療現場を経験してきました。 医療×テクノロジーで未来を創造することが夢です。

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